アメリカで最も「高い」ファストフード店は? 1000円オーバーの看板バーガーは好評

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 インフレが加速するアメリカで、これまで手軽に食べられたファストフードの価格上昇が問題になっている。言語学習サイトのプレプリーが実施した調査によると、なかでも割高感が最も高いのは、バーガーチェーンのシェイクシャックとなった。

◆バーガー店に不満が集中
 調査では、店舗の口コミから「高額」「ぼったくり」などのキーワードの出現頻度を分析し、消費者の不満度を算出した。結果、シェイクシャックや同じくバーガーチェーンのファイブガイズなどへの不満の高さが明らかになったという。

 シェイクシャックはファストフードのなかでも比較的高価格帯のチェーンに位置づけられる。ニューヨーク・ポスト紙によると、シェイクシャックの最高財務責任者ケイティー・フォガーティー氏は今年初めの投資家向け会議で、メニュー価格をさらに3%引き上げたことを明らかにしている。

 著名人の名を冠した高級店への不満も聞かれた。プレプリーは調査結果のなかで、「消費者は流行の雰囲気や有名シェフの名前に対して割増料金を払う意思はあるが、実際の料理やサービスの質が期待に及ばない場合は失望感を抱く」と分析している。

◆値段の分だけ質は良好
 ファストフードとしては割高感の目立つシェイクシャックだが、格安バーガーチェーンとは品質で一線を画し、味の面での評判は高い。

 シェイクシャックの主力メニュー「シャックバーガー」は7.99ドル(約1260円)で提供されている。バーガー単品の価格としては高額だ。米イート・ディス・ノット・ザット誌は、看板メニューのシャックバーガーについて「適度な薄さのパティに溶けたチーズ、みずみずしいレタス、薄切りトマト、特製シャックソースを組み合わせ、ふんわりとしたポテトバンで挟んでいる」と解説している。

 別の人気メニューに、「スモークシャック」(9.49ドル、約1500円)がある。アップルウッドでスモークしたベーコンと、チーズ、刻んだチェリーペッパーに、シェイクシャック特製のシャックソースを組み合わせたハンバーガーだ。

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 米フード誌のテイスティング・テーブルは「このバーガーの決め手となっているのはチェリーペッパーだ。適度な辛さと甘み、そしてピクルスのような酸味が一体となって、肉とベーコンの塩味や脂っこさを抑える働きをしている」と説明している。さらに、「各素材は高品質で、それぞれが独自の風味を主張しながらも完璧なハーモニーを生み出している」という。

◆シェイクとマッチ、と米誌
 そのほか、シェイクシャックの定番商品として、ベーコンチーズバーガー9.49ドル(約1500円)、アボカドベーコンバーガー10.99ドル(約1730円)がある。ベジタリアン向けには2種類のバーガーを用意しており、ベジーシャックが9.49ドル(約1500円)、マッシュルームバーガーが9.99ドル(約1570円)となっている。両者を組み合わせた「シャックスタック」は13.49ドル(約2130円)で、こちらはボリューム重視の商品として人気だ。

 一般的にバーガーチェーンでは炭酸飲料がドリンクの主力だが、シェイクシャックではシェイクが欠かせない。イート・ディス・ノット・ザットは「シャックバーガーには、フライドポテトとチョコレートシェイクを組み合わせることで、より一層おいしく楽しめる」と勧めている。

 シェイクシャックは渋谷や梅田など、日本国内にも14店舗を展開している。

Text by 青葉やまと