「泥沼化」したバーニングマンにみる気候変動のサバイバル 6万4千人が足止め

9月4日のバーニングマンの会場の様子|Stringr via AP

 毎年米ネバダ州の砂漠で開催されてきた、自給自足型フェス、バーニングマン。今年は豪雨に見舞われて、砂漠地域が泥沼化し、参加者たちは一時、立ち往生した。

◆バーニングマンというコミュニティ
 バーニングマンは、ラディカルなインクルージョン、贈り合い、ラディカルな自立と自己表現、参加型などといった10の原則から形成されるカルチャーを共有するコミュニティで、毎年、アメリカの祝日であるレイバー・デー(9月の第1月曜日)を挟んだ約1週間、各地から何千という人々が集結し、ネバダ州にある砂漠地帯にブラック・ロック・シティという一時的な街を形成することで知られている。運営はカリフォルニア州のサンフランシスコに本拠を置く非営利団体であるが、コミュニティのイベントには基本的に誰でも参加できる。

 最初のバーニングマンのイベントが開催されたのは1986年で、その当時はサンフランシスコのビーチでの1日のみ。その時の参加者数は35人だった。1990年には初めて現在の会場であるブラック・ロックで開催され、参加者は10倍になった。そしてその翌年から、バーニングマンは1日のイベントから約1週間のイベントへと進化。1995年からは毎年テーマが設けられるようにもなった。

 その後、毎年、ほぼ右肩上がりでイベントの参加者が増え、ニッチなイベントから世界中で広く知られるイベントとなった。新型コロナウイルスのパンデミック前、参加者はほぼ約7万人で推移していた。

Text by MAKI NAKATA