『はじめてのおつかい』に衝撃を受けるアメリカ 「かわいい」を超えて子育て論も

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 Netflixを通じて海外配信が始まった日本のテレビ番組『はじめてのおつかい』をきっかけに、アメリカ流の子育ては過保護なのでは、との議論が現地で巻き起こっている。

◆アメリカならば通報もの
 番組では小さな子供が親からおつかいを頼まれ、スーパーに向かって買い物をしたり、親戚の家から指定のものを持ち帰ったりする。日本の視聴者の多くは、ひとり奮闘する姿に、可愛さと応援の気持ちで心を掴まれている。

 しかし、アメリカでは愛らしさが受けると同時に、子育てのあり方論にまで発展している。米ジャーナリストのジェシカ・グローズ氏はニューヨーク・タイムズ紙(4月16日、以下「NYT」)に寄稿し、「番組の可愛さにすっかり魅了されたと同時に、私はこのようにも感じました。アメリカではきっとうまくいかない」と、アメリカでは成立しない番組内容だとの見解を示した。グローズ氏は、仮にアメリカ版が製作されたならば、ひとりで出歩くことを許した親は無責任だとの批判が避けられないだろうとみる。

 スレート誌(4月11日)も同様の論調だ。「この番組がアメリカでの話だったならば、いうまでもなく、両親は児童保護局による調査対象となり、子供は里親制度のもとに出されるだろう」と述べており、社会的に受け入れられづらいだろうとの立場だ。

Text by 青葉やまと