9人の黒人モデルの英ヴォーグ表紙、なぜ波紋を呼んだのか?
英国ヴォーグ2月号の表紙には、9人の黒人モデルが起用された。黒人モデルの採用は歓迎されるべきニュースのはずだが、ヘア・メークアップを含めたその表現が思わぬ波紋を呼んでいる。その詳細とは。
◆英ヴォーグ表紙の意図
ヴォーグ2月号は、アフリカ人モデルの台頭を祝すというのがコンセプトだ。同誌の編集長は、ガーナ系イギリス人男性のエドワード・エニンフル(Edward Enninful)。「いまこそファッション(Fashion Now)」と題された2パターンの表紙には、アドゥット・アケチ(Adut Akech)アノック・ヤイ(Anok Yai)、マジェスティ・アマレ(Majesty Amare)、アマール・アクゥェイ(Amar Akway)、ジャネット・ジャンボ(Janet Jumbo)、マーティ・フォール(Maty Fall)、ニャグア・ルェア(Nyagua Ruea)、アベニー・ニール(Abény Nhial)、アコン・チャングー(Akon Changkou)の9名のモデルが採用された。彼らはエチオピア、ナイジェリア、ルワンダ、セネガル、南スーダンといったアフリカ各地にルーツを持つ若手黒人モデルたちで、世界のトップクラスのラグジュアリー・ブランドのショーや広告キャンペーンにも抜擢されている。
Adut, Anok, Nyagua, Janet Jumbo, Maty Fall and co are representative of an ongoing seismic shift that became more pronounced on the SS22 runways, writes @FunmiFetto in the February 2022 issue. https://t.co/DcEerERsds
— British Vogue (@BritishVogue) January 13, 2022
編集長のエニンフルは、黒人モデルが数えるほどしかいなかった以前の状況とは違い、今シーズンは、ファッション界の女性たちのなかで、黒人モデルたちは意義のある、実質的で平等な位置に立っていたと述べている。エニンフルがアフリカ人であることについて、彼自身必ずしも客観的な立ち位置ではないものの、黒人モデルのリプレゼンテーションは、シンボリズムや新しい美の基準ではなく、アフリカ大陸全体がさまざまな要素において台頭を意味することにほかならず、今後も継続していくものであるとの意見を示した。
表紙の撮影は、アフリカ系ブラジル人写真家のラファエル・パヴァロッティ(Rafael Pavarotti)が担当し、エニンフル自身がスタイリングを行った。また、ナイジェリア系イギリス人のフンミ・フェット(Funmi Fetto)が、雑誌のコントリビューティング・エディターとして参画した。
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