選手は160隻の船、観客60万人 パリ五輪、セーヌ川で前代未聞の開会式

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 パリ・オリンピック組織委員会が13日、開会式のアウトラインを発表した。オリンピック開会式はスタジアムで催されるのが恒例だが、2024年7月26日のオリンピック開会式はその恒例を破り、パリのど真ん中で開かれることとなった。

◆スタジアムの10倍の観客を見込む
 スタジアム以外で夏のオリンピック開会式が催されるのは、近代オリンピック史上初めてのことだ。場所はパリのど真ん中、パリ市を横断するセーヌ川の上。約1万500人の選手たちは、160隻の船に分乗し、セーヌ川を東から西へとパレードする予定だ。起点はパリ植物園そばのオーステルリッツ橋で、そこからサンルイ島、シテ島の脇を抜け、ルーブル美術館、チュイルリー公園に沿っていくつもの橋の下を通り、エッフェル塔とトロカデロ庭園に挟まれたイエナ橋までの6kmを移動する。

◆無料での観覧も可能
 観客はセーヌ河畔や途中の橋の上からパレードを観覧でき、運営委員会はその人数を60万人と見積もっている。これは、スタジアムで開催した場合と比べ10倍の人数である。セーヌ川に近い低い岸での観覧は有料チケットが必要だが、その後方の高い川岸は無料の予定だ。オリンピック組織委員会では、当日は大型スクリーンを80台設置し、音響効果なども用いて、観客全員に臨場感あふれる体験を提供するとしている。この発表にあたり、パリ2024の委員長を務めるトニー・エスタンゲ氏もパリのアンヌ・イダルゴ市長も「多くの人々に向かって開かれた」「歴史に残る開会式」になると胸を張った(フランス3、12/13)。

Text by 冠ゆき