ブリトニー後見人問題に新展開 米政治家が制度見直し提言

AP Photo

 
◆後見人解雇に向けて動くブリトニー
 そんな、悲惨ともいえる状況に身を置くブリトニーだが、この衝撃的な証言後、状況が急変した。まず、後見人制度の一環としてブリトニーの財産管理をする予定だった会社が、本人の証言を受けて役割を辞退。NBCニュースによると、その後、過去25年間にわたり彼女のマネージャーを務めてきたラリー・ルドルフ氏が「今日、ブリトニーが正式に引退することを意図していることを知った」「私のプロフェッショナルなサービスはもう必要としないだろうから、私が辞めることはブリトニーにとって最善の利益となるだろう」と話して辞職した。同氏辞職後、NBCニュースによると、今度は裁判所に任命され、ブリトニーの弁護士を務めていたサミュエル・イングラム氏も辞任した。

 ブリトニーの訴えは、先月末に裁判所によりひとまず却下されていたものの、これは父親を後見人制度から外すための手続き上必要な過程であったという説もある。芸能サイト『TMZ』によると、ブリトニーは現在、父親を後見人職から解雇するために新しい弁護士を探しているという。
 
◆民主上院議員、後見人制度見直しを提言
 ブリトニーが自分自身の自由に向けて動きを見せているなか、今回の件から政治家も後見人制度の見直しの必要性を訴えている。タイム(電子版)によると、民主党のエリザベス・ウォーレン上院議員とボブ・ケイシー上院議員は、ブリトニーの証言を受け、米保健福祉省と司法省に文書で、両省が後見人制度において収集するデータに関する情報を供与するよう要請。ブリトニーの証言により、後見人制度に置かれた人が「経済的権利や公民権を(後見人に)濫用される」危険性が照らし出されたと述べた。

 ブリトニーの驚愕の証言により全世界のファン、そして政界からも注目が集まっているいま、後見人によるこれまでのような「虐待」が続くことはなくなりそうだ。ティーンアイドルとしてデビューしたブリトニーももうすぐ40歳。今後、自分の意思でさまざまな決断ができるようになる日が来るのもそう遠くはないだろう。

【関連記事】
アカデミー賞だけじゃない、世界の舞台での大失態 やらかした人たちが「後輩」にエール
サウジ女性、男性後見人の許可なしでホテルに泊まれるように
ウォーレン氏の人気が急上昇 米大統領選の民主指名争いに異変

Text by 川島 実佳