ブリトニー後見人問題に新展開 米政治家が制度見直し提言

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 アメリカの人気歌手ブリトニー・スピアーズは2008年より、精神的症状の理由から後見人となった父親ジェイミー・スピアーズ氏に生活や仕事を管理されてきた。その後見事に復帰を果たし、活躍し続けたが、最近になって無期限の休養生活を送っていた。ソーシャルメディアでは私生活も充実しているように見えたことから、これまで多くの人々はブリトニーにとってこの後見人制度が効果的な役割を果たしている、と思っていたはずだ。

 ブリトニーがいつ休養を終えて復帰するのかを待っていたファンも多かっただろう。しかし、6月23日にカリフォルニア州ロサンゼルスで行われた公聴会で、彼女自身が後見人制度によって、本人の意思に反して薬を投与され、自分の稼いだ金も管理できずに、半ば無理矢理働かされていたことが明らかになった。ナショナル・パブリック・ラジオ(NPR、電子版)によると、ブリトニーは後見人制度により「性的搾取被害者のように、意思に反して働かされた」と証言。彼女が受けてきた奴隷のような扱いの全容に、全米が大きなショックを受けた。
 
 10代の頃から人気エンターテイナーとして、かなりの財産を築いているはずのブリトニーだが、本人の証言によると、後見人制度により、過去8年間はクレジットカードやパスポートも自分で管理できないばかりか、マネジメントの言うことに「NO」と言えず、自分でスケジュールも作れず、休みなく働かされていた。また現在の恋人との結婚はおろか彼の車に乗ることさえも許されず、体内に避妊具を入れられて妊娠できないようにされているなど、経済的、精神的、そして肉体的に厳しい管理下に置かれているという。またブリトニーは、「家族を提訴したい」「家族は誰も何もしてくれなかった」などと、後見人の名を借りた経済的搾取が家族ぐるみで行われていることも証言。そして、「いままで幸せなふりをしていたのはすべて嘘だった」「私は幸せじゃない。私は眠れない。すごく怒っている。これ(後見人制度)は狂っていて、私は落ち込んでいる。毎日泣いている」とも語っている。

Text by 川島 実佳