サッカー欧州選手権での感染拡大をWHO懸念 開催地の感染増と観客増
それにもかかわらず、イギリスは22日、7月の準決勝戦と決勝戦について、ウェンブリー・スタジアム(ロンドン)の観客数を、当初予定されていた収容人数約50%にあたる4万人から、75%にあたる6万人以上に変更すると発表した。
WHO欧州地域事務局長ロブ・バトラーは同日、「開催都市の試合が行われる地域で、すでに感染者が増えている」ことと「スタジアムのいくつかは現在、観客数を増加させている」ことを憂える書面を発表した(ニュース・イン24、6/22)。
◆VIPのためにイギリスに入国制限緩和を求めるUEFA
懸念を示したのはWHOだけではない。前日の21日には、イタリアのドラギ首相が、イギリスの新型コロナ感染状況を鑑みて、決勝戦をロンドン以外に移そうと提案している(ユーロニュース、6/22)。また、ドイツのメルケル首相も「ロンドンで決勝戦を開催する計画に関し、UEFAに責任をもって行動するよう要請した」(アルジャジーラ、6/23)。
だが、これに対するUEFAの返事は、「試合会場を変更する予定はない」というものだった。しかも、「最大2500人のVIPが決勝戦を観戦できるよう、ウイルスに関する移動の制限緩和を求めて英国政府と協議」しているという。(同上)