サッカー欧州選手権での感染拡大をWHO懸念 開催地の感染増と観客増

ブダペストのプスカシュ・アレーナ、ハンガリー対ポルトガル戦前の様子(6月15日)|Laszlo Balogh / AP Photo

 第16回欧州サッカー選手権ユーロ2020が6月11日に幕を開け、欧州11ヶ所のスタジアムで試合が繰り広げられ、多くのファンを魅了している。しかし、世界保健機関(WHO)は22日、多くの観客を入れての試合は新型コロナ感染拡大を助長するという懸念を表明した。

◆欧州11の会場で開催
 欧州サッカー連盟(UEFA)が主催するユーロ2020は、もともと昨年行われる予定だったが、オリンピック同様、パンデミックが理由で1年延期となったものだ。6月11日から7月11日にかけて、西はイギリスから東はアゼルバイジャン、南はスペインから北はロシアという広い範囲のスタジアムで並行して試合が開催されている。どこも有観客だが、収容人数100%で開催しているのはハンガリーのブダペストだけで、それ以外の国は最高でも50%の観客としている。マスク着用やフィジカルディスタンス、手の消毒など基本の感染防止策も取っており、それに加え、スタジアムによっては、陰性証明やワクチン証明書などを入場者に求める。(ISPO、6/14)

◆感染再拡大のロンドンで決勝戦
 欧州各国はここのところ制限緩和に向かっているが、いくつかの感染再拡大も見られる。たとえばロシアだ。モスクワの感染急増は深刻だが、ユーロ2020会場のひとつとなっているサンクトペテルブルク市も例外ではない。ジェトロ(6/21)によれば、同市も「感染状況の悪化を受けて、6月17日から外食や娯楽関係の営業制限を導入」したところだ。

 また、決勝と準決勝の会場となっているイギリスも、現在デルタ変異株を原因とする新型コロナの感染拡大に悩んでおり、6月21日を予定していた制限策解除を、1ヶ月先の7月19日に延ばしたところだ。

Text by 冠ゆき