映画『レゴ ムービー 2』レビュー:すべてが良好、傑作の前作に追随
『レゴ ムービー』は唯一無二の傑作だ。その世界は実に新鮮で活力にあふれ予測不能で、さまざまなスピンオフが生まれたのに出来はまちまちだったのも仕方ない。しかし、続編には第一作の魔法を再現できるか否かという大きな試練が常に待ち受けている。『レゴ ムービー2』は非常におもしろいという報告ができるのは喜ばしいことなのだが、一方で、刺激的で斬新な第一作には決して敵わないのではという疑念は拭いきれない。
前回に引き続きフィル・ロードとクリス・ミラーが担当した脚本は、今回も知的でテンポよくウィットに富んでいる。ジョークと巧みなポップカルチャーの引用が光の速さで飛び交う。一度観ただけでその半分でも理解できればラッキーだ。前作よりもさらに増えた歌にも、ロードとミラーのウィットが詰まっている。実際は映画の一部ではないのに妙な話だが、映画の最大の見どころの一つであるエンドクレジットの歌も絶対に聴きたいと思うはずだ。
しかし、今回、何かが失われている。監督がマイク・ミッチェル(『トロールズ』『スカイ・ハイ』)に変わったことで、ときどき本作は前作をなぞっているだけのような気がする。それでもなお、十分魅力的でウィンクしたくなるようなおもしろさがあり、たぶん子供たちには前作同様に大ウケするだろう。
映画の冒頭、第一作に登場したフィン少年の妹が現れ、混沌と破壊とかわいらしさがもたらされる。 彼女の大きくてかわいらしいレゴ(デュプロ)は、フィンが作った伝統的なレゴの世界を壊滅的に混乱させ、ブロックシティの精巧な街並みを破壊しつくす。
一気に5年の歳月が流れ、エメット(声:クリス・プラット)、ワイルドガール/ルーシー(声:エリザベス・バンクス)、バットマン(声:ウィル・アーネット)、ウルトラキャット(声:アリソン・ブリー)、ベニー(声:チャーリー・デイ)、ロボヒゲ(声:ニック・オファーマン)ら、第一作の人気キャラクターたちは、『マッドマックス』のオマージュのようで、ブロックシティより「埃っぽくてクール」だと言われているボロボロシティで暮らしている。みんな陰気でしかめっ面をしているのに、あいかわらずタフで明るくて陽気で楽天的なエメットは、ルーシーと暮らすために、白い柵に囲まれた前庭と(いつでもワッフルが焼けるように)パン焼き部屋つきの絵に描いたような夢のマイホームを建てる。
自分のように大人になってほしいとエメットに詰め寄るルーシー。しかし、仲直りする前に、シスター星雲からやってきたエイリアンの襲撃に遭い、ルーシー、バットマン、ベニー、ウルトラキャットが人質として連れ去られる。残されたエメットは仲間の救出に向かい、スター気取りで自意識過剰な喋り方をする新キャラのレックス・デンジャーベスト(クリス・プラットの一人二役)とタッグを組む。自称「銀河を守る考古学者で、カウボーイで、恐竜の調教師」であるレックスは、「前は丸顔だったが今は精悍な顔」を見せびらかすのが大好きだ。
レックス率いるクルーは全員ヴェロキラプトルだ。まるで『ジュラシック・パーク』か『ジュラシック・ワールド』みたいだが、本作では彼らのセリフに字幕が付いている。これが傑作で、出てくるたびに笑った。レックスはもとより、スウィート・メイヘム将軍(声:ステファニー・ベアトリス)とわがまま女王(声:ティファニー・ハディッシュ)をはじめとするシスター星雲の面々も、みんな愉快で実に新鮮だ。しかし、映画は壮大なスケールで延々と進行し、ときどき『トイ・ストーリー3』っぽいなと感じてしまう。これについては、本作の製作陣だけを責めるわけにはいかない。第一作で現実世界の要素が明かされてしまったために展開が限られてしまい、おもちゃたちが忘れられたり、物置にしまい込まれたりする憂き目に遭う危険性が高くなるのだ。
あんなにも素晴らしかったコンセプトをスタジオがどれだけ掘り起こせるかは疑問だが、幸運にも、『レゴ ムービー2』は、第一作が苦労して築き上げたものすべてを台無しにはしない。まったく同じになろうと、ただ一生懸命努力している。
ワーナー・ブラザース・ピクチャーズ配給『レゴ ムービー2』はPG-13指定。上映時間は1時間46分。3月29日(金)より公開。
By LINDSEY BAHR AP Film Writer
Translated by Naoko Nozawa