「金曜夜の定番」新日本プロレス、米テレビで好評 放送局会長は枠拡大も視野
◆言葉の壁を克服
人気の新日本だが、アメリカ展開の障壁がないわけではない。ブリーチャー・レポート誌(12月14日)によると、アメリカの人気プロレス団体『WWE』のビンス・マクマホン会長が新日本を脅威と捉えることはない、とAXS TVのキューバン氏は考えているようだ。氏は言語障壁の存在を理由に挙げている。しかしなお、「プロレスの純粋主義者で、アクションが好きならば、これは最高の興行だ」「本当にレスリングが好きなら、それ(言語)は障害にならない」と、自信も覗かせている。
また、言葉の問題を逆手に取ったアイデアもキューバン氏にはあるようだ。スポーツ・イラストレイテッド誌によると、1月6日放送の番組では、WWEの名物アナウンサーであるジム・ロス氏を実況に招く。英語による現地独自の実況で大会を盛り上げると同時に、人気実況者の起用でファン層を広げる試みのようだ。言語の違いを解決すると同時に、ライバル団体のファンまで取り込もうという野心的なアイデアだ。
◆人気で放映ラグも短縮 堂々と前進を続ける新日本
アメリカ放映のもう一つの問題は、タイムラグの存在だ。ポップ・カルチャー誌は、AXS TVでの放送開始当初、およそ1年前の試合を流していたと振り返る。これでは観客も興ざめだろう。しかし金曜夜のレギュラー番組が人気を集めるにつれ、より新しいショーを放送する方向にシフトしているとのことだ。最近ではほぼ最新の試合を楽しめるという。
視聴率も好調で、スポーツ・イラストレイテッド誌は、AXS TVで放送している総合格闘技(MMA)さえ凌ぐ週があると伝える。キューバン氏は新日本を「金曜夜の定番」と捉えおり、総合格闘技を減らして新日本の放送を増やす時が来るだろうという嬉しいコメントを表明している。
ワット・カルチャー誌(12月14日)は、言語障壁などがあることに触れた上で、「それでもなお、彼らの前進は堂々としたものだ」と評する。大成功だった7月の大会一発で終わることなく、アメリカに進出を続ける姿が逞しい。
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