人は見た目では判断できない、とは古くから言われているが、貧富に関しては必ずしも当てはまらない言葉なのかもしれない。人は富裕な人間か、貧しい人間かを写真を見ただけで判断できるということが研究で明らかになっているという。
◆顔写真を見ただけで高所得者を指摘
カナダのトロント大学の研究によると、ただ顔を見るだけである人物が富裕であるか貧しいかが分かってしまうということが判明した。同大学は家族の総収入が6万ドル以下であるか10万ドル以上である生徒をボランティアとして募り2つのグループに分け、無表情の写真を撮らせた。これは平均的家族の年間総収入が7.5万ドルであることを参考にしたものである。
そして次に別の被験者に生徒達の写真を見せて、彼らが富裕であるか貧乏であるかを直感だけを頼りに判断させた。研究者によると被験者はどの生徒が富裕で、どの生徒が貧しいかを偶然を上回る確立で的中させることができたのだという。
この研究で注目するべきことは、写真に映っていたのはまだ成功者にもなっていなければ、手痛い失敗もしていない、人生の船出へと立ったばかりの大学生であるということである。同大学の准教授ニコラス・ルール氏は「我々が目の当たりにしたのはたった18-22歳の生徒が、彼らの社会経済的な状況や社会階級が人々により顔を見ただけで指摘されるほど、十分な人生経験を積んでいるということです」と語っている。