「普通の人」がエクストリームスポーツから学べることとは?

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著:Eric Brymerリーズ・ベケット大学 Reader, Psychology with Outdoor and Adventure Studies)

 ベースジャンピングウィングスーツ飛行大きな波をかいくぐるサーフィン、険しい場所でのスキー、1本のロープでのフリークライミング・・・このようなエクストリームスポーツにいそしむ人々のことを、私たちは危険を冒す人たちだと考える。このタイプの人は若い男性であることが多いが、「興奮状態」を求める「風変わりな快楽主義者」もしくは「刺激を求めてやまない人」という印象を持たれることだろう。

 エクストリームスポーツをする人々をこのようにステレオタイプ化することに伴う問題は、その印象が必ずしも真実だとは限らないだけでなく、エクストリームスポーツが「普通の人」の手に届かない存在のように見なされてしまうところにある。

 この見方は、弊害が著しくなる可能性がある。これは特に私がこのテーマに関する文献を探していた時に見つけたのだが、エクストリームスポーツは実は普通の人にも手が届くほか、多くの参加者でひしめく既存スポーツよりも優れた効果があるという証拠があるからだ。

 エクストリームスポーツを行っている30~70歳の人を対象にインタビューをしたところ、そのスポーツをすることで短期的、そして中長期的にも、前向きかつ幅広い生活の変化につなげられたという。だから実は、エクストリームスポーツをしている人は、よくある短い動画にあるような高速で動く体験をしているというよりは、その間、マインドフルネスに似た感じの平安と静寂を味わっていたのだ。

 これまで悪いと考えられてきた恐怖などの感情が自分の可能性を制約しなくてもよいと気づくことなど、こうした経験は、長い期間にわたって健康を長く維持できる利点がある。

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エクストリームスポーツを通して健康を維持できる Shutterstock.com

 このような内省は、人の日常生活を変えてしまえることがある。もう「人生に退屈する」ことなどなくなってしまうと自らの状況を説明したうえで、そのスポーツに「情熱」を抱くようになると話している。エクストリームスポーツをするようになってから、自分以外の他人とこの地球をより前向きに見つめるようになれるらしい。

Text by The Conversation