「健康的で美しい」世界に広がる弁当の魅力 豪の州政府も住民に推奨
モンゴルのニュースサイト『News.MN』によると、モンゴルのある食品工場で今年の1月に、「BENTO」の生産が始まったそうだ。独特なデザインとボリューム感のある日本の弁当は、今では主要国のみならず、世界の様々な国で注目を浴びている。その様子を詳しく見ていくと、私たちがまだ知らない日本の弁当の魅力が見えてくる。
◆BENTOは伝統的な日本料理
「弁当」というと日本人にとっては、外出先で食べるために携帯する食事、もしくは飲食店で供される箱に詰められた食事を指すであろう。モンゴルの食品工場で作られているBENTOは、私たちの感覚で見ると、ただ単に料理をパック詰めして食料品店に出しているのに過ぎない。しかし、モンゴルでは「BENTOを出している」として、その特徴とともにNEWs.MNで紹介されている。海外ではこのBENTOという言葉に、日本文化を感じさせる特別な意味合いが込められているのだと考えられる。弁当を「パック詰めの食品」ではなく、BENTOとして捉えると、私たちが今まで知らなかった弁当の魅力に気付くことができるであろう。
◆世界で大人気! BENTOの魅力とは
そもそもなぜ弁当が「lunch box」ではなく、「BENTO」として、世界に広まったのだろうか。これには2つの理由がある。
1つ目はバランスのとれた栄養配分である。オーストラリアのクイーンズランド州保健当局のサイトでは、BENTOが健康食として紹介されている。野菜を主体とし、様々な種類の料理がバランス良く並び、1つの箱に詰められている。そして、これだけの栄養をランチで手軽に摂ることができるのである。モンゴルのニュースサイトNEWs. MNでは、「腹持ちが良く、さらに栄養バランスも良いので肥満対策になる」と、ダイエット食品としても紹介されている。
2つ目は、その見た目の美しさにある。箱詰めにされた色とりどりの盛り付けは、さすがユネスコ無形文化遺産「和食」と思わせる1つの芸術である。クイーンズランド州保健当局のサイトでは、BENTOの作り方が紹介されているが、「見た目」も味や栄養と同様に弁当の重要な要素として説明されている。
◆以外と簡単!? BENTOのつくり方
これは筆者の持論になるのだが、海外でBENTOが人気であるもう一つの理由は、「誰でも作ることができる」ことだろう。クイーンズランド州保健当局のサイトに掲載されていた弁当作成テクニックを一部紹介する。「色合いを意識して、たくさんの料理を箱にギュッとつめる」「プレート上では実現できない箱ならではの立体感ある盛り付けをする」「肉など平らなものはロールする」などである。誰にでもすぐにできる上に、磨いていけば芸術性を無限に高められるテクニックである。
一部の主婦が毎朝作る「凝った弁当」がしばしば海外でも話題になることがあるが、あれも芸術の一環として、書道や華道と同じような評価をされても良いのではないだろうかと思えたりもする。