「WWEとは違う」新日本プロレスの米興行、現地ファンを魅了 米進出に待望の声

flickr / Courtney Rose

 新日本プロレスがアメリカで初の単独興行を行い、現地プロレスファンの喝采を浴びている。現地時間7月1日~2日、カリフォルニアのロングビーチで『G1 Special in USA』が開催された。トーナメントの他、日米の大型スターレスラー同士のカードが観客を沸かせた。アメリカのスポーツ専門チャンネルESPNによると、同イベントのハッシュタグ「#G1USA」はツイッターでアメリカ1位、全世界で2位にトレンド入りを果たすなど、日本流のプロレスが海外に名を馳せつつある。

◆「オカダ v.s. Cody」注目のメインマッチ
 イベントで最大の注目を集めたのは、IWGPヘビー級のタイトルを賭けたオカダv.s.Cody戦だ。アメリカのスポーツメディア『ブリーチャー・レポート』では、オカダが必殺技のレインメーカーなどを決め、善戦するCodyを下してタイトルの防衛に成功したと伝えている。ESPNもオカダがCodyに同技をお見舞いする写真を大きく載せ、「ストーリー性に富んだ面白いマッチだった」と評する。各メディアはオカダの活躍をもてはやしており、現地プロレスファンも納得の試合内容だったようだ。

◆アメリカで好評!一味違う新日本プロレス
 プロレスの歴史の深いアメリカだが、そんな本場でも新日本プロレスが注目される理由は、そのスタイルにある。マイクパフォーマンスなど派手な演出中心のアメリカの流儀に対し、新日本プロレスは試合内容や技本来の質の高さを重視することで名高い。「WWEはスポーツエンターテイメント、新日本はプロレスリング」(ブリーチャー・レポート)と評されるなど、アメリカ人ファンらは、見慣れた娯楽性の高いレスリングを超えた本格スポーツと受け止めているようだ。

◆目指すは定期開催 新ジャンルとして現地での定着なるか?
 アメリカのメディアは非常に質の高いイベント内容に軒並み高評価を与えており、定期開催してさらに定着させるべきだと口を揃える。『ブリーチャー・レポート』は今回のイベントの観覧とTV放映で、アメリカ中に大勢のファンができたとする。アメリカ上陸の試金石となった今回の興行だが、「各マッチへの世間への反応を鑑みるに、その目的は達成された」(同記事)と、非常にポジティブな反応を見せる。

 レスリング専門ニュースサイト『レスリング・インク』はさらに踏み込み、アメリカに「新日本dojo(道場)」を作ってアメリカ人レスラーを育成すべきとの意見を紹介している。新日本プロレスが新ジャンルのエンターテイメントとして、アメリカで知られるようになるのか楽しみだ。

Text by 青葉やまと