あなたも真似できる? F1ドライバーの強靭でしなやかな体を作る1日の食事とは

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「F1ドライバーなんて、ただ車の中に座っているだけ。ホントにアスリートなの?」と思っている人は意外と多いのではないだろうか。実はF1ほど気力と持久力が必要なレースはないと言われおり、ドライバーには想像を超えるGフォースに堪えられるだけの強靭な筋肉も必要とされる。当然彼らは有酸素運動や体幹トレーニングで常に体を鍛えているが、最高のコンディションを作るため食事にも気を使っている。しなやかなで無駄のない体を作るためのF1ドライバーの食事には、見習う部分も多そうだ。

◆スリムさが求められるF1。食事は低GI
 F1では、マシンとドライバーを含めた最低重量が決まっている。余分な重量はラップタイムに影響するため、できるだけそれに近づけるのが理想だ。そのためマシンのみならず、ドライバーも出来る限り軽くあることが求められるとテレグラフ紙は説明する。炭素繊維のように軽い体は、サーキット・パフォーマンスを向上させると同紙は述べ、身長約183センチ、体重70キロ(2014年時点)とスリムなジェンソン・バトンを例としてあげている。

 マクラーレンのヒューマン・パフォーマンス・プログラムのマネージャー、クレイトン・グリーン氏は、栄養摂取とは過剰な炭水化物を取らないことだとし、野菜、ナッツ、サツマイモなどの低GI食品を多く摂取するやり方を採用していると話す。ドライバーにはたくさんの果物と野菜を合わせて、比較的高タンパクな食事を摂らせているとのことだ(テレグラフ)。

◆ヘルシーかつバラエティに富むメニュー
 ビジネスインサイダー誌は、F1ドライバーの1日の食事を具体的に紹介している。それによれば、最初のトレーニングの1時間前に朝食として摂るのは、果物、蜂蜜、ナッツを加えたオーツ麦のお粥と、アーモンドバターを塗った雑穀入りのトーストで、550キロカロリーほどだという。合わせてレモン汁を絞った水と、適度なカフェインと抗酸化作用のある緑茶が出される。トレーニング後には、シリアル&ピーナッツバー、かんきつ類、ココナッツウォーターの計285キロカロリーのスナックが待っている。

 昼食は野菜と玄米ヌードルを添えた豆腐のガーリック炒めだ。数かけらほどのカカオ90~85%のダークチョコレートを添えて、豆乳入りコーヒーか緑茶を飲むこともでき、総カロリーは775キロカロリーとなっている。午後の体力トレーニングの前には、バナナ(110キロカロリー)とアップルジュース(105キロカロリー)が出される。

 夕食は高タンパクでほどほどの炭水化物を加えた食事が出される。オーブンで焼いたサツマイモ、サバのグリル、サラダ(ホウレンソウ、ルッコラ、赤玉ねぎ、トマト、アボカド、キュウリ入り)、ミックスベリー添えヨーグルトで計750キロカロリー。夜9:00には全粒粉クラッカーにマーマイト(イギリスの発酵食品)とパルメザンチーズを添えたもの数枚(150キロカロリー)、果物(70キロカロリー)、ハーブティーが楽しめる。

◆エクササイズをプラスして、理想の体型に
 ご紹介したのはマクラーレンの典型的な食事プランで、読むだけでヘルシーな気分になれたのではないだろうか。バラエティに富んだなかなかおいしそうなメニューだが、これで1日約2800キロカロリーだ。一般的な成人の1日に必要な摂取カロリーは1800~2200キロカロリー(年齢や職業にもよるのであくまでも目安)とされるので、一般人はスナック抜きでよいかもしれない。

 F1のウェブサイトによれば、F1ドライバーは期間集中型の有酸素運動や必要な筋肉強化の他に、ランニング、水泳、サイクリングなどのフィットネスを維持する運動を一年を通して行っているということだ。これらのエクササイズにご紹介したF1メニューをうまく組み合わせれば、一般の人でもF1ドライバー並みのスリムで引き締まった体を作れるかもしれない。興味のある方はぜひお試しあれ。

Text by 山川 真智子