カープ応援歌をメモし熱心に観戦していた訪日外国人 広島とK.ジョンソンとの深い繋がり
スポーツファンなら自国の選手を応援するのが当たり前、なんて無意識に思っていませんか?
「スポーツナショナリズム」という言葉さえありますが、どうやら界隈の実態は徐々に変わりつつあるようです。
プロ野球の試合を熱心に観戦していた外国人
甲子園で起きた心温まるエピソードをXに投稿したのは高校生のじでん(@jidenbikubiku_)さん。
試合を応援していたところ、隣にいた外国人がカープ応援歌をローマ字でノートに書き留め応援していたといいます。
球場で海外の方を見るのは初めてということもあり、彼に注目したじでんさん。
共に来ていた母親の勧めで話しかけたところ、応援していた外国人の方はイギリスからきたXユーザーのBritish_Carp_Fanさん(BritishCarpFan)だということが分かりました。
2人は互いのこれまでを話し、ツーショットを撮るなど交流を深めたといいます。
じでんさんは「隣の席に他の国の人が座っていると言うことに驚きましたが、何より応援歌をしっかり学習して、歌えるようにしており、 他のカープファンと同じかそれ以上の熱量をもって応援していました」とコメントしました。
カープを熱心に応援していた外国人男性の正体
NewSphereはBritish _Carp_Fanさん本人からもお話を伺うことに成功しました。
British_Carp_Fanさんの熱心な応援の秘密は、彼がカープを好きになったきっかけにありました。
2014年、妻との日本旅行で初めてカープの試合を見たというBritish_Carp_Fanさん。
野球の試合自体を見るのが初めてでした。
その日のカープは負けてしまいましたが、それにも関わらず応援席のファン達がエネルギッシュであることに大きな感銘を受けたといいます。
こうしてファンの熱意に心を動かされ、彼のカープファンへの道は幕を上げました。
British_Carp_Fanさんは帰国後、カープの試合をインターネットで観戦するだけでなく、カープの外国人選手の家族が試合を観戦する手助けもし、友好な関係を築いたといいます。
特にクリス・ジョンソン選手の家族とは、今でも友達でメッセージを交換しているとのこと。
熱心に応援している選手を聞いたところ、「自分が特別に応援する選手がいるというのは非常に日本的な考え方ですね」とコメントしていました。
球団全体が好きなようですが、松山竜平選手が「普通の日本のサラリーマンの外見にもかかわらず、最も天性のボールを持った打者の一人であることを高く評価している」と語りました。
さらに、カープだけでなく広島も大好きだというBritish_Carp_Fanさん。
実は、カープを好きになる前から、好きな写真家は山口県出身だったり、お気に入りの陶器が萩市で作られたものだったりと、興味・関心があるものが広島周辺の地域に集まっていたといいます。
これはカープに出会う何年も前のことだそうで、不思議な縁を感じますね。
カープを好きになってからは、広島の人々の活気が好きになったとのこと。
ある日、British_Carp_Fanさんは広島でカープの試合を観戦するも、残念ながら敗北。
憂鬱な気持ちでホテルへ戻ろうとしましたが、街中で「とうかさん大祭」を楽しむ人々を見て元気付けられたといいます。
British_Carp_Fanさんは「広島は私が世界で最も平和を感じる場所です」とコメントを残しました。
British_Carp_Fanさんのカープ愛は凄まじく、毎年カープの試合を見るために日本に来るだけでなく、イギリスの家の正面の窓にお土産やグッズを飾り、いつかカープファンが通りかかり、家から遠く離れた場所でたくさんのものを見て喜んでくれることを願っているそうです。
さらに、なんと所有している2台の車もカープのユニフォームの色に合わせて赤と白を購入したといいます。
もちろんメーカーはマツダ。愛が留まるところを知りません。
最後に、British_Carp_Fanさんは改めてカープへの思いを語ってくれました。
「私は一生カープを追いかけ続けるつもりです。私は昨年病気になり、癌かどうかの結果を待っていました。幸いなことに癌ではありませんでした。しかし、私の不安の一つは、広島カープの試合を二度と見ることができないということでした」
「私は応援歌と応援団が大好きです。私はすべての曲を覚えるために一生懸命努力しました。外国人だけでなく、日本のファンにも、私にできることは彼らにもできるという感動を与えたいと思っています。私はあえてチケットを全て応援団の隣の席で買います。初めて試合を見たときに彼らの熱意に感動したからでしょうか」
国境を超えて人々の心を一つにし、生活に彩りを与える。
そんなスポーツの魅力がふんだんに詰まったエピソードですね。
国内外問わず、心震わす試合に出会えるよう、スポーツ観戦のより一層の国際化に期待が高まります。