生活拠点は高速列車 毎日1000kmほど移動しながら働く17歳
旅好きの皆さんの中には、もはや家に戻らず毎日旅をしていたい!と考える方もいるかもしれません。
そんな夢を叶えた17歳の少年がドイツにいます。
鉄道で各地を転々としながら旅する17歳のドイツ人
17歳のドイツ人であるラッセ・ストーリーさんはICEというドイツの最上級高速列車で暮らしています。
独メディアのBUSINESS INSIDERによると、ストーリーさんは列車年間フリーパスの最高ランク「バーンカード100」を使い、毎日1000km近く移動しているといいます。
生活にかかる費用は、カード代の5888ユーロ(約96万円)を含めて年間1万ユーロ(約164万円)ほど。
ストーリーさんは、フリーランスのプログラマーとして働いた分で交通費を賄っているそうです。
彼は YouTubeのドキュメンタリーに触発され、16歳で列車生活を決意。
両親を粘り強く説得し、故郷シュレースヴィヒ=ホルシュタインを離れてICEでの生活を始めました。
ストーリーさんは、僅か36リットルのリュックサックに全ての荷物を詰めているといいます。
夜行列車で一夜を過ごし、ドイツ鉄道のラウンジで朝食。
公共プールでシャワーを浴びているとのことです。
毎朝、天候や気分によって行き先を決めており、リューゲン島のバルト海沿いのリゾート地ビンツや、ドイツ最高峰のツークシュピッツェなどの観光地に惹かれると明かしています。
現地メディアのMerkurによると、ストーリーさんは列車生活における最大の課題は「睡眠」だと語っています。
当初、彼は寝台列車でなかなか眠ることができず、日中に居眠りばかりしていました。
また、夜間に列車に乗り遅れたり、不慣れな駅で迷ったりして寝床を失ったことも。
しかし、今では夜行ICEに自分の生活リズムを合わせることに成功し、難なく睡眠を取れているようです。
列車生活を始めてからの1年半で、ストーリーさんが移動した総距離は50万キロ以上。
これは世界12周分に相当します。
彼の今後の目標は、「ドイツ鉄道や鉄道メーカーといった輸送会社にフィードバックをし、その対価として報酬をもらうこと」だといいます。
最もICEを知り尽くしている乗客として、列車のサービスと安全性工場のために提言することを望んでいるようです。
17歳にして、働きながら列車生活をしているストーリーさん。
彼の一風変わったライフスタイルが今後のドイツ鉄道にどんな影響を与えるのか、目が離せませんね。