日本の「熱意ある社員」は5%、世界最下位 米ギャラップ調査
米世論調査会社のギャラップは、2023年版『ギャラップ職場の従業員意識調査:日本の職場の現状』および国際版調査報告書『State of the Global Workplace 2023 Report』を発表した。日本の労働者の仕事への熱意は、世界で最も低い結果となった。日本の労働者のうち、仕事に積極的なのはわずか5%で、世界平均の23%と比べて大きな差があると報告書は指摘している。
◆仕事に熱意ある人々、OECDの3分の1の水準
5%の従業員しか仕事に熱意を感じていないという状況は、経済協力開発機構(OECD)加盟国の平均である18%と比較して、3分の1以下となっている。日本とOECD諸国とではこの10年間で、仕事への熱意の差が拡大傾向にある。2009年には8ポイント差だったが、2022年には13ポイント差にまで拡大した。最新の調査対象年度である2022年は、日本以外ではイタリアが5%で日本と並び、6%の香港が続く。
一方、日本の労働者の72%が仕事に熱意を持っていない結果になった。世界平均の59%と比較して顕著に高い数字だ。こうした従業員は仕事に対するエンゲージメントがなく、ただ終業時間を待つだけの存在となっており、生産性が低い——とギャラップは指摘する。また、ストレスを強く感じやすく、燃え尽きやすい状態でもあるという。
国際版調査はギャラップが2005年から毎年実施しているもので、世界の成人(15歳以上かつ就学中でない人々)を対象に、無作為でサンプリングを行っている。これまで160以上の国と地域を対象に、対面または電話で調査を実施した。2022年は12万2416人を対象としている。日本の2022年度データは、2022年6月から8月の間に、固定電話または携帯電話を通じて収集した。