ハイブリッド版ローグに「日産の命運を握る」と米メディア、期待高まる

日産自動車

 日産が14日に公開した新型SUV「ローグHybrid e-POWER」に対し、アメリカの自動車メディアからは早くも期待の声が上がっている。あるメディアは「日産の命運はこのハイブリッドに託されている」と指摘し、同車が同社の将来を左右する存在になる可能性があるとの見方が出ている。

◆e-POWER初投入、米市場で巻き返し狙う戦略モデル
 日産はアメリカで開催したイベントで、主力SUV「ローグ」に独自のハイブリッド技術「e-POWER」を搭載した新型モデルを発表した。発電専用の1.5リッターVCターボエンジンで電力を生み、モーターのみで駆動する同システムは、一般的なハイブリッド車とは構造が異なる点が特徴だ。日本や欧州ではすでに展開されているが、アメリカ市場への投入は今回が初めてとなる。

 アメリカではトヨタ「RAV4」やホンダ「CR-V」などハイブリッド車が存在感を強めており、日産はこれまで同分野で後れを取ってきたとされる。今回のローグe-POWERは、そうした状況を打開するための戦略モデルと位置づけられる。さらにイベントではSUV「エクステラ」の復活も示唆されるなど、商品ラインナップの再構築に向けた動きも見られた。

◆「命運を握る」ローグ、米メディアは期待と慎重な見方
 こうした動きを受け、米メディアの評価は概ね好意的だ。カー・アンド・ドライバーは、このe-POWER導入を「長らく待ち望まれていたアップデート(long-overdue)」と評した。同誌は、北米市場での競争において、これまでラインナップに欠けていたハイブリッドの重要性に言及し、その戦略的意義を指摘している。日産の巻き返しに向けた一手として、その動向に注目が集まっている。

 第一印象に関する評価も出ている。ジャロプニックは外観や全体の仕上がりについて「実際かなり良さそう」とし、これまでハイブリッド分野で出遅れていた日産に対する見方に変化が生まれつつあることを示唆した。

 戦略面での重要性を指摘する声も多い。電動車メディアのインサイドEVsは「日産の命運はこのハイブリッドに託されている」と指摘し、e-POWERが同社の立て直しの鍵を握るとの見方を示した。電動化への対応が遅れ気味とされてきた日産にとって、今回のローグは単なる新型車ではなく、事業戦略の成否を占う試金石と位置づけられている。

 また、エドマンズもローグを「最も重要な車の一つ」と評価し、主力モデルとしての役割の大きさを強調する。アメリカ市場ではSUVが販売の中心を占めるだけに、その中核モデルに新技術を投入する意味は大きい。販売台数だけでなく、ブランド全体の評価にも影響を及ぼす可能性がある。

 さらに競争環境にも注目が集まる。カースクープスは新型ローグについて「RAV4の牙城に挑む」と表現し、ハイブリッド市場における勢力図の変化に言及した。トヨタが長年築いてきた優位性に対し、日産がどこまで食い込めるかが焦点となる。

 アメリカ市場で後れを取ってきた日産にとって、ローグe-POWERは巻き返しの切り札となる可能性がある。電動化の流れが加速する中で、独自技術を武器に存在感を取り戻せるか。各メディアの評価はまだ初期段階ながら、その動向に関心が高まりつつある。

Text by 白石千尋