米顧客満足度、スバルが首位、トヨタは後退 ACSI調査2025
Subaru of America, Inc.
アメリカのACSI(顧客満足度指数)が発表した2025年自動車調査で、大衆車部門の1位にスバル、ラグジュアリー部門ではレクサスが選ばれた。新車販売台数が5年ぶりの高水準に達するなか、価格上昇と支払い負担の長期化はドライバー満足度に影を落とし、全体の顧客満足度は100点満点中79点と前年比1%低下した。
大衆車ブランドではスバルが2%上昇の85点で2年連続トップ。前年はスバルと同率首位だったトヨタは1%減の82点に後退し、1%上昇したマツダと同率2位となった。81点にはビュイック、GMC、ホンダが並ぶ。ACSIのプレスリリースによると、「安全性と信頼性の評価を背景に好調を維持しており、フォレスターの刷新、クロストレックの高出力エンジン追加、アセントやアウトバックの新グレード投入などが追い風となっている」という。マツダは順位を上げ、トヨタとともに上位を堅持した。
一方、レクサスは前年から6%上昇して87点となり、ラグジュアリー部門でトップに躍り出た。同プレスリリースでは、「ハイブリッド人気を背景に、2025年第1四半期のアメリカ販売が過去最高を記録。2024年末時点で、上位15モデル中5車種がレクサスのハイブリッド車であり、RXが圧倒的首位、NXとESもトップ5入りした」と説明している。ハイブリッド戦略が顧客の支持を広げた格好だ。前年1位のメルセデス・ベンツは1%減の82点で2位、テスラは2%減の81点でキャデラックと並び3位。
全体のスコアは横ばいに見えるが、背景には「どれだけ長く走れるか」「購入後に価値が残るか」といった実用性への意識の高まりがある。ACSIは今回、航続距離と再販価値という2つの新指標を取り入れており、いずれも他の評価項目より低い結果となった。特に電気自動車(EV)は、充電インフラや下取り価値への不安が満足度を押し下げているとみられる。
ミシガン州立大学のフォレスト・モルゲソン氏(ACSIリサーチ・エメリタス・ディレクター)は「自動車市場では革新性と実用性が衝突している。顧客は高度な技術や効率を求める一方で、一ドル一ドルに厳しい目を向けており、成功するブランドは“何が今ドライバーにとって本当に重要か”を見失っていない」とコメントしている。
今回の調査は、2024年7月から2025年6月にかけてアメリカ国内の9949人を対象に、メールアンケート形式で実施された。




