マツダ、24年米国販売が過去最高 「売れるのも納得」と現地ファン
マツダがアメリカ市場で好調だ。2024年の年間販売台数は42万台を超え、前年比16.8%増となった。ガソリン車への需要が堅調なことに加え、ミッドサイズSUV市場での成功が貢献した。
◆販売数は過去最高を記録
北米マツダによると、アメリカ市場における2024年の年間販売台数は過去最高の42万4382台となった。12月の販売台数も4万201台と、前年同月比1.7%増となり、12月として過去最高を更新している。車種別では、CX-30が8875台、CX-50が8083台、CX-90が5995台となった。CX-30とCX-9は12月として、CX-50は通年で、それぞれ最高記録を達成した。
ブルームバーグはこうした業績により、マツダにとって「記録破りの年」になったと報じている。マツダ北米事業統括のトム・ドネリー社長は、この勢いを受け、2025年の販売目標を45万台に設定していることを明らかにした。
米自動車調査会社のケリー・ブルーブックは、2024年のアメリカの新車市場全体の販売台数を前年比2.3%増の約1590万台と予測している。そうしたなか、マツダは2019年に27万9000台まで落ち込んでいた販売台数から大きく回復。現在の販売規模は高級ブランドのBMWやメルセデス・ベンツを上回る。ただし、スバルや起亜、日産などの競合他社には及ばない水準であるともブルームバーグは指摘する。
◆ガソリンモデルとクロスオーバーが好調
ブルームバーグはマツダの好調の要因として、主に3点が貢献したとみる。ガソリン車のコンパクトクロスオーバーとミッドサイズSUVへの需要が堅調であること、マツダが主力とするコンパクト車種への人気が高まっていること、そして同社がミッドサイズSUV市場で成功を収めたこと——の3点だ。
とくに、クロスオーバーやガソリンモデルに特化したことでユーザーに強くアピールしており、販売した車の大部分がクロスオーバーSUVだ。
また、手頃かつ堅実なガソリンモデルの充実も武器となった。マツダはアメリカ市場において、ハイブリッドの展開を「CX-90 プラグインハイブリッド 」など3車種にとどめている。今後の展開としても、マツダは完全電動化への急速な移行は予定していない、とドライブ誌は指摘する。
◆「ハンサムで感嘆する」海外でも盛り上がるマツダ談義
北米のマツダファンたちは、マツダの好調は当然だと受け止めたようだ。ドライブ誌の記事に対し、共感の声が寄せられている。
「オールラウンドに優れた製品があるのだから、売れるのも納得だ。CX-50メリディアンはハンサムで感嘆するし、CX-90を道路で見かけるたびに本当に目を奪われる」
「マツダは、ほかのメーカーがきちんと行えていないことを1つだけ行っている。それは、ほぼ全車種にわたって情熱を持って車を製造していることだ」
米自動車誌のオート・ブログの読者たちも、マツダへの愛着を語っている。
「マツダ車を11年間所有しているが、エンジニアリングの品質が素晴らしい」
「手頃な価格で装備が充実した魅力的な車を数多く提供していることも、マツダ車が売れている理由の一つだろう。こうしたラインナップを揃えている自動車メーカーは本当に少ない」
デザインと品質に優れ、なおかつ価格面でもリーズナブルなマツダのガソリンモデルを愛する人々は、決して少なくないようだ。