シビック ハイブリッド、北米で「トップ中のトップ」評価の理由

American Honda Motor Co., Inc

◆装備の細部、実燃費の幅、価格感
 装備では、同セグメントで普及が進む全方位カメラやベンチレーションシートの未設定を指摘するレビューが複数ある。上級グレードに主要装備が集中する設計もあって、細部の充実度で議論が生じやすい。運転支援やインフォテインメントの完成度は評価が高い一方、装備競争の「全部盛り」という観点では課題が残るという整理だ。

American Honda Motor Co., Inc

 実燃費は走行環境と運用条件で振れる。EPAの公表値はセダンで複合49mpg(市街地50/高速47)だが、寒冷地や高速主体では下振れ、都市圏の通勤路や温暖期の混在ルートでは公称値に近い、あるいは50mpg級に達したとする実走報告が並ぶ。気温、速度域、交通状況、タイヤ仕様など計測条件や評価手法の差が数値に現れる、という見立てで各媒体はおおむね一致する。

 価格感は3万ドル台前半〜中盤のレンジで語られる。上級グレードへの装備集約により表示価格は上がりやすいが、走り、静粛、インフォテインメントを含む総合評価では「価格に見合う(もしくは妥当)」とする結論が主流だ。個別装備の充実度で厳しめの指摘がある一方、総合点では肯定的というバランスが目立つ。

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Text by 切川鶴次郎