スズキ スイフト ハイブリッド、英トップギア賞を受賞「爽やかなシンプルさが魅力」
英BBCの自動車番組「トップ・ギア」が選ぶ「ベスト・カーズ・オブ・イヤー」賞の小型車部門(コンパクト・カー・オブ・ザ・イヤー)に、スズキ スイフトが選ばれた。軽量でコストパフォーマンスに秀で、さらに乗り味も楽しいと評判だ。
◆爽やかに駆けるコンパクトカー
対象のスイフトは「スイフト ウルトラ」2024年型としてイギリスで販売されているものだ。日本版のスイフトよりもワイドボディー(日本版1695mmに対し1735mm)で、日本規格の3ナンバーサイズ相当となっている。トップ・ギアは、「爽やかで素朴な雰囲気」をスイフトの魅力に挙げる。
トップギア副編集長のオリー・キューは「新型スイフトは価格も維持費も安く、運転が楽しく、気取らず、快適で、実用的で、好感度が高い。小型車に求められるものがすべてそろっている」とコメント。
英カー誌は、今年4月に登場した現行の2024年型について、「現代的な技術で燦然(さんぜん)と輝き」ながらも、「大衆のニーズを満たすガソリン使用車(マイルドハイブリッド車)」として着実な進歩を遂げたと評価する。
2024年型は新開発の1.2リットル3気筒マイルドハイブリッドエンジンを搭載し、前期型と同等のパワーを保ちながら燃費を8%向上させた。0-100キロ加速も1秒近く短縮し、より俊敏な印象をまとう。
◆軽量かつ俊敏な走り
乗り味について英インデペンデント紙は、「公道走行ではとても軽く感じられる」と所感を述べている。3トン以上あるテスラ サイバートラックや1.5トン以上のVWゴルフが登場している今、1トンを切る車体重量にかえって新鮮味を感じたようだ。軽量であることを考慮に入れると、ますます「スイフト(素早い)」である印象が際立つ、と記事は述べる。
マイナス面としては、やや古めかしいデザインの印象が拭えない。トップ・ギアは、「新型スイフトは、ルックスさえ受け入れられるならば、爽やかでシンプルなチョイスとなるだろう」と述べ、「シロイルカのような顔と、インテリアのチープなプラスチック」についてはマイナスだと評価している。
もっとも、エクステリアも一部進化している。カー誌は、ヘッドライトとフロントグリルがより現代的な外観に変更され、スタイリングがよりモダンな印象に進化したと捉えている。流行の薄型LEDヘッドライトの採用とはならなかったが、一歩モダンなデザインへと近づいた。
◆イギリスの小型車愛好者たちの救いに?
コンパクト市場を得意とするスズキだが、イギリスでもまだまだ需要は根強い。トップ・ギアは、「スズキは、他社がこのゲーム(小型車市場)から手を引いている今、販売シェアを奪えると考えている」と述べ、このセグメントにおいてスズキが強い存在感を発揮していると述べる。
カー誌が「小型車を売るには厳しい時代」だと指摘するように、セグメントの利益率は決して芳しくないほか、SUV市場に需要が集中している現状がある。そんななか、「気骨のあるスズキはここにチャンスを見出して」おり、大手ブランドが諦めた市場をさらおうとしている、と同誌は一貫したスズキの方針をたたえる。
スモールカーの優れた製造技術を誇るスズキだが、イギリスでも同社を必要としている人々は少なくないようだ。