Googleロゴコンテスト、テーマ「25年後への願い」で優勝したのは「家族の食卓」

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 6月26日、アメリカのグーグル社が開催する小中高生向けのロゴデザインコンテストで、ワシントン在住の高校生メイジー・ドゥラガ(Maisie Derlega)が今年の優勝者に選ばれたことが発表された。彼女の食卓の絵に込められた思いとは。

◆笑顔をもたらしたドゥードルが優勝
 グーグル社が毎年開催する『Doodle for Google』は、中高生を対象にした自作ドゥードゥル(Googleのロゴデザイン)のコンテスト。優勝作品が、グーグルの検索サイトのトップページに表示されるほか、優勝者に奨学金、また本人と学校にテックパッケージが授与される。このコンテストは過去に、カナダやインドなどでも開催されており、日本でも開催されていた時期があったようだが、継続的に開催されているのはアメリカのみ。アメリカでは、2008年から開催されており、今年は16回目を迎えた。応募者のなかから、各50州の優勝者が選抜され、全米ファイナリストの5名が決定し、さらに優勝者が決定するという流れだ。

 今年優勝したドゥラガの作品は、家族の食卓をモチーフにしたアニメ風のデジタルアート。「GOOGLE」のアルファベットを、食卓に並ぶお皿、花、パンなどのモチーフとしてカモフラージュさせた完成度の高いドゥードゥルだ。コンテストのお題である「25年後に向けた願い」に対して、毎週日曜日に家族や友人で夕食の食卓を囲むという伝統が続いてほしいという思いを作品に込めたという。

 彼女は来年、アートとデザインを勉強するためにミシガン大学に進学する予定。大学進学によって自分の人生が大きく変わっていくことが予測されるなか、自分にとって大切な家族の伝統が続いてほしいという願いが込められているそうだ。「私の父はシェフなので、食事や食卓はいつも私にとって大切な人たちとの絆を深める安全な空間でした。将来に望むことはたくさんあるけれど、自分の願いは自分でコントロールできるものにしたかった」と語る

 彼女の作品は、ファイナリストに選ばれた段階で「最高のビッグスマイル賞(Biggest Smile Award)」に選ばれた。優勝賞金としてドゥラガは奨学金5万5000ドルと、5万ドル相当のテックパッケージを手にした。

◆グーグル初期の遊び心を感じさせるドゥードゥル
 グーグルはいまや私たちの生活に欠かせない巨大なテック企業だが、ドゥードゥルは遊び心のあるスタートアップ的な企業カルチャーを感じさせてくれるような存在だ。ドゥードゥルが初めて登場したのは、1998年8月30日のこと。グーグルの創業者、ラリー・ページとセルゲイ・ブリンはグーグルのサービスをロンチして間もない時期、数日間休暇を取って、ネバダ州の砂漠で開催される1週間のクリエイティブフェスティバル、バーニングマンに参加する予定であった。それをユーザーに伝えるシンプルな方法として、Googleロゴの2つ目のoの部分にバーニングマンのロゴを重ね合わせて表示させることにした。これが初めてのドゥードゥルとなった。

 ちなみにグーグル社が正式に創業したのは、その1週間後のこと。つまり、ドゥードゥルの歴史はグーグル社よりも古い。以後、さまざまなドゥードゥルが作られ、色別に検索したり、記念日や自分の誕生日のドゥードゥルを検索したりすることもできる。

 今回のコンテストでは、家族で一緒に過ごす時間をテーマにした別の作品も、ファイナリストに選ばれた。人工知能(AI)の急速な進化など、テクノロジーと未来の不確実性に関する話題が日々飛び交う時代だからこそ、グーグル初期のような遊び心や、次世代を担う若者たちのシンプルな願いが、より新鮮で重要なものに感じられるのかもしれない。

Text by MAKI NAKATA