「ついにカムリの走りが…」新型試乗で米誌興奮「絶対違い分かる」
北米トヨタは今春、2025年型トヨタ・カムリを現地で発売する。デザイン上は大きな変化はないが、全構成でハイブリット専用となった。進化した第5世代のハイブリッド・システムがスポーティーな走りの喜びを高めていることが、明らかに実感できるという。レビューした海外メディアの間で非常に好評だ。
◆ついにカムリの走りが楽しく
米ジャロプニク誌(4月18日)は、「トヨタの第5世代ハイブリッドシステムにより、ついにカムリの走りが楽しくなった」と評価している。記事はこれまでのカムリが、信頼性、効率性、快適性などの面で充実していたと肯定する。一方で「決して運転がスリリングだったわけではない」とも述べ、胸躍る体験には至らなかったとの私見を述べている。
そのうえで同誌は、新型カムリの登場で状況が変わったと指摘している。新たなハイブリッドシステムは、カムリのドライバーとなる者の楽しみを広げていると述べ、スポーツカーとしての用途でも一層楽しめるクルマになったと評価した。
◆見た目の変化ではなく、運転の喜びを追求
新型カムリは全トリムでハイブリッド専用となり、第5世代のトヨタ・ハイブリッド・システム(THS 5)と2.5リットル 4気筒エンジンを搭載する。標準構成のシステム総合出力は、前輪駆動(FWD)で225 hpを発生する。オプションとして、悪天候時やカーブ走行の安定性に優れる電子制御オンデマンドAWD仕様を用意しており、こちらの場合は232 hpに向上する。
デザインについては現行モデルを踏襲しており、新たな要素は限定的だ。フロントエンドの彫りが深くなり、口の幅が広がった。カー&ドライバー誌(4月18日)は、「ほとんどすべての面で現行モデルと見間違うだろう」と述べ、新型のデザインを「慎重な進化」と表現している。
やはり進化の目玉は、より充実したドライビング感覚だろう。ジャロプニク誌は「新型カムリの加速は、特にスポーツモードに設定したとき、かなりレスポンスが良いと感じた」と講評する。ペダルを踏み込んだ瞬間にトルクが感じられ、以前との差は「絶対に分かるだろう」とのコメントだ。
◆静音性やCVTの挙動も改善
パワートレーンの改良について、米オート・ブログ(4月18日)も言及している。静粛性が大幅に向上し、発生音もはるかに心地よくなったと感じられたという。電子制御CVTについても改善しており、アクセルを一瞬緩めても過剰に反応することがなくなったとしている。試乗の結果、「この改善は本当に大きな意味が感じられた」としており、運転の快適性が向上しているとの評価だ。
カムリの競合としてホンダ アコードが挙げられるが、アコードはどの構成でもAWDを用意していない。米モーター・トレンド誌(4月18日)はこの差異に着目したほか、カムリは燃費の良さでも分があると述べている。「AWDとハイブリッドの組み合わせのおかげで、カムリは宿敵のホンダ アコードに一歩リードしている」と同誌は見解を綴る。
新型カムリのスタート価格は、2万8400ドル(約440万円)からの設定だ。従来のカムリ・ハイブリッドのベースモデルとの比較で400ドル(約6万2000円)以上引き下げた。今春からアメリカのディーラー各店舗に展開される。
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