「純粋にカッコイイ、欲しい、けど…」ランドクルーザー新型、米ファンが気になるのは?

Toyota Motor Sales, U.S.A., Inc.

 2021年モデルをもって北米で終売となっていたランドクルーザーが、新型として復活を遂げる。今春にもアメリカで発売予定となっており、スタート価格は5万5950ドル(約865万円)からの設定だ。現地メディアは復活を報じているが、価格設定には疑問の声も出ている。

◆性能はほぼキープし、大幅に価格ダウン
 新型ランドクルーザーのデザインは過去の伝統に則り、シリーズの強みである頑健さを強調した。パワートレーンはi-FORCE MAXハイブリッドを搭載し、最高出力326ps、最大トルク465lb-ftを発揮する。フルタイムAWDおよび、センターデフとリアデフを装備する。

 米トヨタのマーケティング副社長であるマイク・トリップ氏は、「その伝説的な性能はそのままに、大幅な低価格化を実現し、快適な乗り心地とトレイルでの操作性をさらに向上させました」と自信をみせる。

 米カー&ドライバー誌(4月16日)は、サイズも価格も肥大化傾向にあった最近のレクサスから「軌道修正」をしたと言及する。ベースモデルで9万3915ドル(現在のレートで約1450万円)だったレクサスLX600と比較し、「大幅な価格ダウン」だと記事は述べる。

 新型は一回り小型になったが、れっきとしたランドクルーザーだ。米モーター・トレンド誌(4月16日)は、熱心なファンたちの間で議論は尽きないだろうと前置きしつつ、「正真正銘のランドクルーザーである」「機械的にはフルサイズのランドクルーザーと非常によく似ている」と評価している。

◆「やっと乗り換えられる!」喜びの声もあるが…
 現地では早速、食指が動いたというファンが出ているようだ。カー&ドライバー誌の読者は、次のようなコメントを寄せた。

「ランドクルーザー80に21年間乗っているけれど、完璧な乗り換え先がやっと見つかったよ」

「個人的にSUVは好きでないが、このモデルとレクサスの類似モデル(LX/GX)は本当に良さそうだ」

 その一方で、5万5950ドルからというスタート価格には、さすがに二の足を踏む向きもある。

「価格は大幅に下がったが、それでもまだ割高感が強い」

「ランドクルーザーは純粋にカッコイイ車だし、欲しい。けれど、5年後に中古で買う方がずっと賢いだろう」

「4ランナーの方がオフロード性能が高く、価格も安い。スタイリングや名前が本当に好きでない限り、ランドクルーザーは手を出しにくい」

 米ドライブ誌(4月16日)の読者は、レクサス GXとの比較で盛り上がった。

「GXは高価だが、馬力もトルクも上回る3.4TT V6エンジンとインテリアが魅力だ」

(返信として)「だが、都市部ではランクルが年間550ガロンに対しGXは800ガロンのガソリンを消費する。ランクルなら月100ドルほど節約できる」

「新型ランドクルーザーはやや小型化して安くなった。ほかのメーカーやモデルでもこの傾向になるとありがたい」

 アメリカで復活するランドクルーザーに、興味を持つ人々は少なくない。とはいえ、物価高騰で天井知らずの新車価格は、やはり頭痛の種となっているようだ。

Text by 青葉やまと