テスラより速い? 間もなく発売のシャオミEV アップル撤退の事業で成功なるか

Xiaomi

 スマホ製造の中国・シャオミ(Xiaomi、小米)は3月28日、同社初の電気自動車(EV)「スピード ウルトラ 7(SU7)」を中国30都市で発売する。

 シャオミはこれまでアップルの模倣を徹底し、スマホ分野で一大企業に台頭してきた。公然の秘密となっていたEV計画をアップルが断念したと報じられるなか、シャオミはアップルが果たせなかった夢で成功を収めるか。

◆「テスラより速い」
 シャオミCEOの雷軍(レイ・ジュン)氏は、SU7はテスラやポルシェのEVよりも速い加速が可能な「スーパー電気モーター」技術を備えていると述べている(BBC)。4ドアセダンのSU7の0-100km/h加速は、シャオミの発表によると2.78秒。

 ビジネス・インサイダー(3月13日)は、アップルがEV計画を断念するなか、「今月、iPhoneメーカーの中国における最大のライバルの1社が、手本を示そうとしている」として取り上げている。

 ブルームバーグによると、アップルはアリゾナ州でコードネーム「ブレッドローフ」と呼ばれる自動運転ミニバンのプロトタイプをテストしていたが、生産上の問題や毎年約10億ドルと目される研究開発費が問題となり、計画は中止された。一方でシャオミは中国のEV産業の基盤を活用し、北京汽車グループとの提携で製造許可を迅速に取得した。年産約20万台を目指す。

 課題もある。米ビジネスメディアの『クォーツ』は、中国ではすでに深センのBYDと米テスラによりEV価格競争が繰り広げられていると指摘する。中国では2月、EVおよびPHEVの販売数が前年同月比で12%減少した。

 レイCEOは、シャオミが世界トップ5の自動車メーカーの1つになるという考えを示している。シャオミはアメリカ企業の模倣を脱却し、独自の価値観を構築できるか。SU7の成否が注目される。

Text by 青葉やまと