豪で「つながらない権利」認める法案可決 上司からの時間外連絡にノー
新型コロナの影響で在宅勤務が急速に普及し、勤務時間外の仕事に関する連絡が増えたことで、長時間労働が問題視されている。雇用主や上司からの連絡に対応しなければ、評価に影響を及ぼすことがあるかもしれない、と不安に思う従業員を保護するため、勤務時間外の電話やメールへの対応を拒否できる「つながらない権利」がオーストラリアで成立した。
◆勤務時間外に連絡した雇用主には刑罰も
オーストラリア連邦議会は12日、従業員に雇用主からの勤務時間外の電話やメールなどへの対応を拒否できる「つながらない権利」を認める公正労働法修正案、通称「抜け穴をふさぐ第2号法案」を成立させた。6ヶ月後に施行される。
「つながらない権利」によって、従業員は雇用主からの勤務時間外の仕事に関する電話やメール、メッセージに対応しなくても、雇用主から処罰されることがなくなる。また、従業員は雇用主に時間外連絡に関する苦情を申し立てることができる。労使間協議で問題が解決しない場合は、従業員は公正労働委員会に、雇用主による「不合理な時間外接触の停止」命令を求めることも可能になる。
同法は例外として、上司がシフトの変更について従業員に電話することや、オンコールが必須の産業、一晩中ほかのタイムゾーンにある企業と話をする必要のある管理職には適用されない。
同法に抵触した雇用主は禁錮刑を含む刑罰が科せられることが明記されているが、政府は刑罰の規定を破棄する意向を示しており、施行までの6ヶ月間で与野党による協議が行われる予定になっている。その間は民事罰則が科せられる可能性がある(コンピューターワールド、2/12)。
同法案には、派遣から正規雇用への道筋の明確化や、派遣労働者とトラック運転手の最低雇用保障など、その他の条項も盛り込まれている。
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