「スウォッチ×オメガ」コラボ時計への熱狂続く 新作ゴールド針に大行列

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 2022年、手頃で限定デザインが多いスウォッチと、高級時計オメガの初コラボシリーズ「バイオセラミック ムーンスウォッチ」11種類が世界で発売され、時計市場を賑わせた。オメガの「スピードマスター ムーンウォッチ」は、初めて月面着陸した宇宙飛行士が着用していたクロノグラフ(ストップウォッチ機能を備えた時計)モデルとして知られる。「ス」が入ったムーンスウォッチはそのカラフルなアレンジ品で、スウォッチ最新素材のバイオセラミックが使われている。価格は3万6300円。

 昨春の日本での発売日は安全面から延期になったほどだ。このコレクションは限定品ではないがオンライン販売はなく、需要が供給を上回っているため、現在も入手は簡単ではない。そして、今年3月初めに新作のゴールド3万9600円)が発売になり、スウォッチのお膝元のスイスでは大変な賑わいだった。

◆「え、これがゴールドなの?」 1本数万円を求め大行列
 新作のゴールドの発売は、東京、ロンドン、ミラノ、チューリヒの4都市のみだった。新作とはいえ、11種類のコレクションのブラック「ミッション トゥ ザ ムーン」の秒針を、オメガ独自の18Kイエローゴールド製に変えただけのモデルだ。ゴールドのデザインは発売直前まで明かされなかった。前宣伝のゴールドという名前から想像して、金色の配分が多いのではと期待していた人たちは少しがっかりしたかもしれない。

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 とはいえ、ゴールドはコレクションには加わらず販売は1日限りで、「話題の時計が買えるならばぜひ!」と発売日当日、チューリヒには早朝から客がやってきた。近隣諸国からやってきた人もいた。

 20ミヌーテンによると、客はチューリヒ中央駅前の高級店が並ぶ駅通りのスウォッチショップに並び始めた。ところが、店員からゴールドは別の場所で発売になると聞き、皆その本命の場所へ移動した。時間がたつにつれて列はどんどん長くなり、警備員や警官が列の監視にあたった。販売は19時開始。先頭の5人のみが建物に入ることができ、1人出てきたら1人入るというルールだった。

 1番乗りだった男性が外に出てきて、報道陣にムーンシャインゴールドを見せた。男性は自分用に購入するために1日中並んだが、列には転売目的で加わる学生もいた。実際、ゴールドはすでにネットで高額で売り出されている。

Text by 岩澤 里美