「これは買い」英ベストセラーSUVの日産キャシュカイ、e-POWER登場でさらに魅力アップ

日産自動車

 日産自動車のキャシュカイe-POWERが7月、欧州で発売となった。その名の通り電気で走るクルマだが、給油も必要という不思議な仕様だ。かといって、ガソリンエンジンが駆動を補助するわけではない。タネを明かせば、走行は電動モーターが担い、その電力をガソリンエンジンによる発電で供給するしくみとなっている。いわゆるシリーズ方式と呼ばれるEVだが、独特なテクノロジーは現地でどのように受け止められているのだろうか。

◆「興味をそそそる」 フルEVへの移行手段として評価
 英オート・エクスプレス誌(7月1日)は、本モデルが「キャシュカイのラインナップのなかでも最も魅力的」だと評価している。日産が新型SUV「アリア」でフルEV化を進めるなか、まだすべての顧客が完全EV化を受け入れようと考えているわけではない。こうした層にとって、「実に興味をそそる先進的なe-POWERパワートレイン」を搭載したキャシュカイ e-POWERが、魅力的な選択肢になるだろうと同誌は見る。「維持費を回収できる可能性を考えると、e-POWERがもたらすさらなる洗練、効率、性能にお金を出す価値があるだろう。運転体験の向上は言うまでもない」との総評だ。

 エンジンを専ら発電用途と位置づけた設計は、独自のメリットとデメリットを生んだ。英BBCの「トップ・ギア」(7月1日)はフルEVとの比較において、一晩中バッテリーを充電しておかなくてもよい点をメリットとして捉えているようだ。給油さえ短時間で済ませておけば、あとは走行中に随時発電してくれる。一方、ガソリン価格が天井知らずとなっている昨今、ランニングコストという面では若干不利に働く恐れがありそうだ。トップ・ギアはまた、モーターとエンジンの両方で駆動するパラレル式のEVと比較した場合、エンジンによる追加の馬力が得られない点でも差異があると指摘している。

Text by 青葉やまと