イギリスでトヨタ GR86が4月下旬に販売開始となったが、2年分の台数を90分で売り尽くす人気だ。若いファンでも比較的購入しやすい価格が受けているほか、欧州の規制の関係で長くは販売されないとみられ、これも駆け込み需要をあおったようだ。

◆向こう2年分が完売
　すでに完売したGR86だが、入手の機会をうかがうスポーツカーファンは多いとみえる。英BBCの自動車番組『トップ・ギア』（5月26日）は、「2022年4月下旬にオンラインで注文受付が始まると、イギリス全土向けの2年分のGR86の割り当てが、イギリスのユーザーたちによってわずか90分のあいだに我先にと買われていった」と報じている。新型GRは最高時速233キロと0-100キロ加速性能6.3秒を誇り、「活気あるスペック」だとトップ・ギアはいう。販売のスピードも並大抵ではなかったようだ。記事は「ガソリン仕様のスポーツカーという意味では、これがおそらくラスト・ダンスになる」と述べている。欧州の規制の強化前にと、購入を狙ったユーザーは多かったようだ。

　英自動車誌のEVO（5月26日）は、イギリス向けに割り当てられた約430台の販売枠が瞬時に完売したと報じている。購入ラッシュのもう一つの要因として、現在販売が行われていないGT86に続き、GR86も欧州で先行きが不透明になっていることが挙げられる。GR86の低いボンネットが欧州の新安全規制に引っかかることになるが、トヨタはフロントエンドをゼロから再設計するつもりはなく、すぐに新型が出ることはないだろうと同誌はみる。