アフリカのトップベンチャーCEO、元社員らから告発 エコシステムの脆弱性も露呈

フラターウェーブCEOのオルグベンガ・アグブーラ氏|© Flutterwave

 アフリカのスタートアップ中、最も高く評価されているナイジェリアのフィンテック企業であるフラターウェーブ(Flutterwave)の共同創業者兼現CEOに対する詐欺などの疑惑が指摘されている。その詳細とは。

◆最も評価されているアフリカのベンチャー
 フラターウェーブはB2B決済サービスを展開するフィンテック企業。本社は米国サンフランシスコだが、ナイジェリア、ガーナ、ケニア、南アフリカをはじめとするアフリカ大陸の複数市場および欧米各国で事業を展開している。ともに銀行出身のオルグベンガ・アグブーラ(Olugbenga Agboola、通称GB)とアデレケ・アデコヤ(Adeleke Adekoya)が2016年に立ち上げ、のちにナイジェリア人起業家のイイノルワ・アボイェジ(Iyinoluwa Aboyeji)も共同創業者として参画した。同社は、APIを活用し、中小企業および大企業のさまざまなクロスボーダー・ペイメントをサポートするフィンテック・サービスを展開する。

 2021年、フラターウェーブは1.7億ドルの資金調達を達成し、評価額10億ドルのユニコーン企業の仲間入りをした。シリーズCの資金調達ラウンドでは、同社は米国のアベニール・グロース・キャピタル(Avenir Growth Capital)、タイガー・グローバルがリード投資家となり、その他9社が参加した。さらに、同社は今年2月にシリーズDラウンドで、2.5億ドルの資金調達を実施。同社の企業価値は30億ドルに達し、フラターウェーブはアフリカで最も価値のあるスタートアップ企業となった。

 テッククランチによれば、昨年、ユニコーン企業となった当時で取引数1.4億、取引総額90億ドルを記録。約1年後の現在の取引数は2億、取引総額は160億ドルへと成長した。現在アフリカ大陸34ヶ国で使われているフラターウェーブのインフラを使用する企業数も、以前の29万社から90万社へと拡大した。同社のインフラは、カード、モバイル・ウォレット、銀行間送金などのさまざまな種類の、150の異なる通貨における取引をサポートしている。ウーバー・テクノロジーズやブッキング・ドット・コムなどの大企業も、同社の顧客リストに名を連ねる。現在CEOの座につく GBは、フラターウェーブの創業期の2016年にナイジェリア市場展開を開始したウーバーを顧客として獲得したことは、同時に300のSME顧客(ドライバー)を獲得したことを意味すると語っている

Text by MAKI NAKATA