「タイプS」の称号にふさわしい? アキュラMDX新型、米誌が試乗レポート

本田技研工業

 ホンダが海外向けに展開する高級ブランドのアキュラは、大型SUV「MDX」シリーズの上位モデルとなる「MDX タイプS」をアメリカで発売した。2月から店頭に並んでおり、現地の自動車各誌はそのパフォーマンスに熱い眼差しを注いでいる。

◆パフォーマンス向上で変貌
 タイプSの名にふさわしく、本モデルではパフォーマンスが向上している。最大馬力は355hp、最大トルクは354lb-ftとなっており、標準モデルのMDXよりもそれぞれ65hpと87lb-ft向上した。米ロード・ショー誌(3月7日)は、「結局のところタイプSの登場により、以前から競争力のあった3列SUVが、真に熱意のこもったものへと変貌した」と述べている。10速トランスミッションの制御プログラムも改善され、シフトダウンが40%、シフトアップが30%高速化された。

 一方でさらなる向上を望む声も出ている。米カー&ドライバー誌(3月8日)はシートやオーディオなどの装備の充実を認めつつも、「一方で我々のような熱心な愛好家は、タイプSのブランドを冠するものに対し、もう少しパフォーマンス面での期待を抱いていたのかもしれない」と本音を洩らしている。「このV6ターボにはMDXを安心して動かすのに十分なパワーがあるが、我々が望んでいたほど個性的なわけでもレスポンスに優れるわけでもない」と述べ、予想との違いを嘆く内容だ。タイプSの加速性能はスタンダードモデルよりも改善が見込まれるものの、テストドライブを終えた同誌は、オールシーズン・タイヤのグリップ性能が冴えないほか、パワステのサポートが過剰気味で人工的な感触がしたと評価している。タイプSのバッジに対する期待は大きかったようだ。

Text by 青葉やまと