もっと突き抜けてほしい? 待望のトヨタ量産EV「bZ4X」、英誌がプロトタイプ試乗
トヨタのフルEV SUV「bZ4X」が、堅実なファミリーSUVとしてイギリスで評価されている。EV後発のトヨタだけに思い切った工夫が欲しかったとのコメントもあるが、公表した性能を着実に守るトヨタらしい、信頼の置けるクルマだとして好評だ。
◆堅実なSUV
bZ4Xに実際に試乗した英オート・エクスプレス誌(2月24日)は、「おそらく達成可能であろう公称航続距離と、くつろぐことができ洗練されたドライビング・エクスペリエンスを誇る、堅実な電動SUV」だと評価する。トヨタによると、bZ4Xの全モデルで280マイル(450キロ)以上の航続距離となる。
bZ4Xは新プラットフォームのeTNGAをベースとし、床下に71.4kWhの大容量バッテリーを搭載する。細かなスペックを見ると、150kW急速充電に対応し、30分で80%まで回復可能だ。各社の既存EVと比較するとずば抜けた数字でこそないものの、同誌は「それでも、これは良いことである。トヨタはいつの日も達成不可能な輝かしいスペックを提示するよりも、主張する数字を確実に実現してきたからだ」と述べ、実直な開発姿勢を評価している。
英カー誌(2月24日)も同様の感触を得たようだ。「トヨタ初のEV(bZ4X)は、ほぼ欠点のない堅実な製品だ」「これはトヨタの時間をかけて熟考したマルチ・パワートレイン戦略の完璧な例だ」としながらも、「急速な変化を遂げるEV市場のなかで、やや保守的で古風なきらいがある」とも感じたようだ。後発ながら200kWに対応していない点に不満が残ったほか、航続レンジも「実用的だが、あっと驚くほどではない」と評価。競争の激しいEV市場において、bZ4Xの成功は「トヨタの「カイゼン」と、既存の顧客と4WDユーザーを取り込めるかどうかにかかっている」とした。
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