2代目NSX最終モデル「タイプS」米誌試乗レビュー 集大成のパフォーマンス

本田技研工業

◆さらに引き立つビジュアルに
 デザイン面では、新型タイプSは従来型よりも個性をアピールする形となっている。米モーター・ワン誌(2月2日)は、2代目NSXのスタイリングも十分に人目を引くものであったが、「タイプSのデザインはより不機嫌で怒っているような視覚的ドラマを生んでいる」と述べている。フロントマスクのインテイクは大型化し、車体下部にはカーボンファイバー製のリップスポイラーが構える。これらが相まって、「セクシーなしかめ面」を生み出しているという。リア側にはGT3を想起させるリアディフューザーを配し、ビジュアル上も空力パーツとしても重要なポイントを担っている。

 インテリアについては手放しで称賛とまではいかないものの、改良が加えられている。モーター・トレンドは、NSXのインテリア・レイアウトについては従来から不満があったと指摘する。設計上の不満点は残るものの、少なくともルーフとAピラーに合成皮革のアルカンターラが採用されたことで、高級感が増したという。また、カー&ドライバー誌と同様にシートの快適さとサポート性については非常に肯定的な評価を送っている。

◆最終モデルに高い関心
 アキュラはNSXタイプSについて、アメリカで700名以上から問い合わせがあったとしている。ファイナルイヤーを飾る同市場300台限定生産のモデルには、生産台数に対してかなり高い関心があった模様だ。すでに完売しているが、価格設定は17万1495ドル(約1970万円)からの設定となっていた。

 タイプSは本年12月で生産終了を迎えるが、NSXシリーズにはEVの新モデル登場の噂が存在する。今後もNSXの系譜は受け継がれてゆくことだろう。

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Text by 青葉やまと