「このエンジンは成功だ」日産ローグ新型、1.5L直3VCターボに米誌好感「飛び跳ねるように加速」

日産自動車

 日産が贈る「ローグ」は、コンパクトSUVのベストセラーだ。そのローグに来年初頭、2022年型が北米で登場する。スタイリングに大きな変更はないが、パワートレインの一新で走行感は別次元へと進化した。不満だったパワー不足を一気に解消するとして、米自動車各誌はエンジンとCVTの変更を大きく取り上げている。

◆新型パワートレインで不満解消
 米カー&ドライバー誌(11月17日)はパワートレインの変化を全面的に取り上げ、大きな改善を歓迎している。従来のローグが採用していた4気筒2.5リットルエンジンについて同誌は「わずか181hpおよび181lbf·ftのトルクをもつこのエンジンはクラス最弱であり、もたらす加速にも目立った点がなかった」と厳しく指摘している。一方、来年登場の新型ではターボ付き3気筒1.5リットルとなり、新型のCVTも導入される。記事は「このアップデートにより2022年型日産 ローグが素早くパワフルになるだけではなく、燃費の向上も約束されている」と述べ、大幅な進化を認める。最大馬力は20hp増しの201hpとなり、トルクは44lbf·ft強化された225lbf·ftとなった。高価なハイオクを給油せずとも、レギュラーガソリンでこの高出力を得ることができる。CVTは最新のエクストロニックCVTを導入しており、ギア比の17%拡大、および摩擦抵抗の32%低減を実現した。これにより燃費が向上したほか、シフトチェンジ時のレスポンスも向上している。

 ロード・ショー誌(11月17日)もこうした変化に注目しており、パワートレインの刷新はまるで「心臓移植」だと例える。スペック上の数字だけを見れば1気筒減かつ排気量も1リットル減となるが、新型は「それよりもはるかに多くのものを得た」との評価だ。エンジンは「力強く」、その馬力とトルクは「この2022年モデルを史上最もパワフルなローグとするに十分」だという。新しく設計された高圧燃料噴射システムなど先端のテクノロジーを随所に導入しており、燃費は33mpg(約14.0km/L)にまで向上した。トヨタ RAV4やフォード エスケープなどの競合を3mpg(約1.3km/L)ほど上回る数字だと同誌は比較している。

Text by 青葉やまと