「称賛に値する」ホンダ シビックSi新型、米メディアが評価するポイントとは?

本田技研工業

 アメリカで11月、ホンダ シビック Siの販売が始まった。シビックのスポーツ性能を高めたモデルであり、通常版シビックと今後登場予定のタイプRの中間に位置する存在となる。実際に試乗した米自動車各誌からは、カタログスペックを上回るスポーティーで楽しい乗り心地を感じられた、との評が出ている。

◆スペック以上に魅力的な走り
 マニュアル車が姿を消しつつあるなか、シビック Siの登場はこの方面のファンに嬉しいニュースとなった。米ロード・ショー誌(11月30日)は、「新型ホンダ シビック Siは、魅力的かつ気軽に使えるパフォーマンスを3ペダルの愛好家たちにもたらし、マニュアル車を救う役目を全うしている」と評価する。これは11代目シビックのホットモデルに当たり、新型Siは1.5リットル直列4気筒のVTECターボエンジンを搭載する。最大出力は先代よりも5hpのダウンとなったが、トップエンドでの衰えは「基本的に感じられない」と同誌は述べる。一方で低中速域のパフォーマンスは大幅に向上した。最大トルクを1800rpm付近で出せるようになったことなどと併せ、「街中を駆けるときからジグザグの山道での加速に至るまで多様な状況において、新型Siはさらに活気に満ち、パワフルかつ優れたレスポンスを発揮するようになった」との評価だ。

 米モーター・トレンド誌(11月30日)も、新型Siは数値の上では後退しているが、「これまでも数値自体はSiのミッションでも強みでもなかった」と述べ、「2022年型Siはすでに優れていた先代よりもはるかに運転しやすい」と実際のドライブフィールを重視するレビューを行っている。試乗の結果、数値の低下は「体験できるものではない」とのことで、「感じられるのはさらに楽しさに磨きがかかり、これまでよりもドライブのしがいが高まったスポーツセダンだ」としている。直線での加速の弱みは確かにあるものの、扱いやすいエンジンとパワーバンドの向上がそれをカバーしている。穏やかな街中のドライブからワインディング・ロードの走行まで、的確に走行できるホットモデルとの評価だ。

Text by 青葉やまと