走りは高評価、でもデザインは…? 新型スバルWRX、米誌がレビュー

スバル

 スバルはスポーツセダンのWRXについて、デザイン一新の2022年モデルを発表した。来年初頭にアメリカでも発売される予定となっており、現地自動車メディアは新登場の最高位「WRX GT」トリムを中心に走行性能を高く評価している。各誌とも走りには納得、デザインはあと一歩、という評価だ。

◆注目はGTトリム 細かな設定変更と入魂のCVT
 米モーター・トレンド誌(9月21日)は、「2022年新型スバルWRXは、楽しく比較的手が届きやすい4WDパフォーマンス・カーというこのモデルの評価を維持するのに適格なように思われる」と述べ、従来からの期待に応えるクルマだと評価している。

 同誌記者はプロのレースドライバーに同乗する形で、最上位トリムのWRX GT、およびベースモデルの6速AT車に試乗した。いずれも新型ではスバル・グローバル・プラットフォームを採用しており、より高い剛性と低重心化を実現している。剛性が向上したことでサスペンション本来の性能が発揮しやすくなり、試乗ではボディーロールの少なさなどのメリットを確実に体感できたという。WRX GTに関しては走行モードの選択の一部として、インフォテインメント上でダンパーやステアリングなど細かな設定の変更が可能だ。「熱心なファンたちに訴求できるレベルのパフォーマンス調整性を備えている」と記事は述べている。

 WRX GTの面白い点として、トップのトリムでありながら選択肢はCVTのみとなっている。このCVTは一般にみられるものとは異なり、物理的なシフトチェンジをかなり忠実に再現している。米カー&ドライバー誌(9月16日)は「パドルシフトで8速マニュアルモードに入れてやると、機械式ギアを驚くほど巧妙にエミュレートする」と述べる。同誌はサーキットでの走行感全般について高く評価し、本来ならばぬかるみや雪原などでテストできれば本領を発揮できたとも惜しむ。記事は「グリップ力の限界を超えた成功を探し求めるラリーチャンピオン」だとの評価を送っている。

Text by 青葉やまと