「まるで不死鳥」2人乗りで復活、スズキ ジムニー 英誌「乗った瞬間から笑顔に」

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 ヨーロッパで一部ファンから圧倒的な支持を得ていたスズキ ジムニー(日本名:ジムニーシエラ)は、タフなボディと悪路での頼もしい走破性を持つ。規制の影響で惜しまれつつ終売していたが、つくりをほぼそのままに今回、商用版として復活を遂げた。販売が始まったイギリスでは、「まるで不死鳥のよう」などと再会を歓迎する声が聞かれる。

◆商用車版として復活
 ジムニーは発売と同時にイギリスの一部ファンのあいだで熱狂的な人気を博したクルマだ。英オート・エクスプレス誌(6月30日)は、「2018年にスズキ ジムニーが登場すると、瞬く間にカルト的な名車となった」と紹介している。しかしながら惜しくも、数年後に販売を一時休止することとなる。CO2排出量が多く、スズキの企業全体としての平均排出値(フリート平均)に悪影響を与えてしまうためだ。今回登場のジムニー コマーシャルは、この規制への対策として投入されたものだ。企業ごとの商用車カテゴリの平均として課されている達成目標は、乗用車カテゴリよりも緩い。このため、好評だった駆動系をそのまま残しつつ、商用のラインナップとして復活させることが可能となった。

 実質的には乗用車版と大きな変化はなく、ボディからパワートレイン、サスペンションに至るまで同じものを採用している。一方、商用車として認定されるためには、荷室長を900ミリ以上確保する必要がある。このため、シートを10ミリ前方に詰めることで規制に適合した。英オート・カー誌(7月2日)はこの復活劇を、「これはまるで灰のなかから立ち上がるフェニックスのように、これまで考えられなかったバン市場という手段で生まれ変わり延命を果たしたスズキ ジムニーだ」と表現している。

Text by 青葉やまと