「ついにトヨタが」新EVシリーズ「bZ」発表、海外も注目「VWの賭けに参加」

「TOYOTA bZ4X」のコンセプト車両|トヨタ自動車

 トヨタ自動車は4月19日、新EVシリーズ「bZ」のラインナップを発表した。bZはビヨンド・ゼロ(ゼロを超えて)の略で、ゼロ・エミッションに留まらない価値の提供を目指す。EVが可能にする航続距離と自由なレイアウトに力を入れていくという。

◆EVに慎重なトヨタが動く
 新ラインナップへの期待は海外でも高い。技術系ニュースサイトの米ヴァージ誌(4月19日)は、「電動化の早期パイオニアでありながら、現在まで競合他社のはるか後方に甘んじてきたトヨタがついに、2025年までに新たなバッテリーEVを15車種登場させるEV戦略をアナウンスした」と報じている。プリウスで生み出したリードを圧倒的な優位にまで昇華できずにいたトヨタだけに、今回発表された計画への期待は大きい。計画にはバッテリーEVのほか、水素燃料電池自動車、そしてハイブリッドが含まれる。

 トヨタはこれまでハイブリッドの生産に軸足を置いてきたが、ここにきて完全EVに本腰を入れる姿勢を明確に打ち出したことになる。日本やイギリスなどの市場では今後数十年以内に純粋なガソリン車の販売が禁止される見込みであり、これがトヨタの今回の動きを促したとみられる。

 ロイター(4月19日)はトヨタが2012年、コンパクトEV「eQ」を100台限定で発売したものの、価格と航続距離などがネックになり「失敗に終わった」と評している。以来ピュアEVに慎重な姿勢を示してきたトヨタだけに、ついに発表されたbZシリーズで風向きを大きく変えたいところだ。

Text by 青葉やまと