「顕著な違い」弱点克服のスバル クロストレック、2.5Lエンジンが好評 カナダでベスト小型SUV賞
スバルの北米部門は、小型SUV「クロストレック」の2021年型を現地で販売開始している。これまでの弱点を見事に克服した点が特色だ。上位グレードで排気量をアップした2.5Lエンジンを採用し、オーナーから改善要望が寄せられていた馬力を強化した。小型SUVの潜在顧客にとってさらに魅力的になったとして、現地誌にも好評だ。
◆明確に感じるパワーの違い
既存のクロストレックは小型クロスオーバーの優れた選択肢としてチョイスされてきたが、オーナーたちが口を揃える不満点が一つあった。それが馬力不足だ。4気筒2.0Lの水平対向エンジンは最大で154psを出力するが、あらゆるシーンへの対応が求められるSUVとしては頼りなさを感じる数字だ。そこで新型では中上位の「スポーツ」グレード以上に2.5Lエンジンを採用し、馬力は185psへと向上した。出力比で約2割増しの大幅パワーアップだ。
米トルク・レポート誌(2月19日)は、「このエンジンはクロストレックへの歓迎すべき追加点だ」と評価する。静止状態から走り出す際に力強い加速を実現するほか、高速道路上での追い越しや合流など、瞬時のスピードが求められる際にパワーの違いが際立つという。
国が違っても評価の傾向は似ており、 カナダのトロント・スター紙(2月23日)もかねてからクロストレックの馬力向上を望んでいたと振り返る。新しい2.5Lエンジンの出力は「顕著な違いを生んで」おり、「このセグメントの購買層から支持されると思う」と述べている。実際に試乗したところ、十分な出力を得るには、かなり高回転域まで回す必要を感じたようだ。それでも乗りこなしにくいというわけではなく、むしろスポーティーな個性として同紙は受け止めている。
なお、カナダ自動車ジャーナリスト協会は新型スバル クロストレックに対し、2021年のベスト・スモールSUV賞を授与している。米トルク・ニュース誌は、新型では全グレードでAWDが標準構成となった点が受賞に寄与したと見ている。このほか、約22センチを確保したグラウンド・クリアランス、悪路でのパフォーマンスを向上するデュアルファンクション・X-MODEなど、走破性をいっそう高める取り組みが評価された模様だ。
- 1
- 2