ソーシャルメディア各社、トランプ氏アカウントを凍結処分

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 アメリカ議会が1月6日、連邦議事堂でジョセフ・バイデン新大統領の選挙人票認定審議を行っている最中、ワシントンD.C.ではドナルド・トランプ大統領支持者の抗議集会が行われていた。トランプ大統領と同氏の弁護士であるルーディー・ジュリアーニ氏、そして長男のドナルド・トランプ・ジュニア氏が集会で支持者らを扇動するスピーチを行った後、支持者らが警察の非常線を突破して議事堂に乱入、占拠するという非常事態が発生し、上下院議員やペンス副大統領が避難する結果となったことはニュースで全世界に報道された通りである。
 
 その後事態は収束し、現地7日、アメリカ議会ではトランプ氏がこの反乱を招く原因を作ったとして、大統領の権限を「憲法修正25条」を適用するか、または再び弾劾裁判を行うべき、という声が高まっている。一方で、トランプ氏が支持基盤を強化するプラットフォームとして駆使してきたソーシャルメディア各社は、今回の事態を重く見て、6日のうちにトランプ氏のアカウント規制に動いた。

◆ツイッター12時間凍結、アカウント削除の可能性も
 議事堂乱入事件の最中、トランプ氏が反乱に参加した支持者に向けた動画をツイッターに投稿。「誰にも傷ついて欲しくない。家に帰りなさい。私たちはあなたたちを愛している、あなたたちはとても特別だ」と事態を鎮静化するような発言をしながらも、また「選挙は私たちから盗まれた」「この選挙は(トランプ氏の)大勝利だったのだ」と虚偽の発言を繰り返した。

 ツイッターは動画が投稿された後、一時「いいね!」やリツイート、返信ができないように対処していたが、CBSニュースによると、その後トランプ氏のアカウントを12時間凍結する処分を課した上、「ツイッターのルールを破った」として動画を含む複数の投稿の削除を要求。しかし、件の動画はCNNのウェブサイトなどで視聴可能だ。12時間後、トランプ氏のアカウント凍結は解除されたが、前出のCBSニュースによると、今後虚偽発言などルール違反の投稿があった場合はアカウントを永久削除するとしている。トランプ氏はその後投稿された動画で政権の移行を約束したものの、そのなかで「(反乱に対処するために)州兵をすぐに動員した」などとまた虚偽の発言を行っている。

Text by 川島 実佳