新型スバルBRZ、走り・デザインで米メディア魅了 ターボ不在に「もっと全体を見てくれ」
スバルの米国法人であるスバル・オブ・アメリカは11月中旬、FRスポーツカー「スバル BRZ」の新型を発表した。8月に生産終了となっていた旧型の後継となり、これまで以上に躍動感ある走りと魅力的なルックスを兼ね備える。
◆ラリードライバーも得心
シンプルで力強い走りを見せるスバル BRZは、多くの人々を感動させている。F1からラリークロスに転向し、2018年の米ARXラリークロスでトロフィーをさらったスコット・スピード氏も、BRZの走りに魅せられた人物の一人だ。米カー&ドライバー誌(11月20日)はスピード氏による試乗の様子をレポートし、「彼はそのダイナミクスを楽しみ、多くのコーナー付近でドリフトさせ、そしてそのバランスとレスポンスに喜びを感じている」と述べている。氏によるとトラクションの増加も先代からの大きな変異点の一つだが、それにも増して馬力の向上が走りのレベルを上げているという。操作への応答性が増したために車体のコントロールが容易になっており、より長いドリフトが可能となった。小型で軽量なボディはそのままに、BRZはさらにタイトでパワフルな性能を手にしたことになる。
新型になったBRZはいまだターボチャージャーを搭載していないが、ファンを失望させることにはならないだろう。米オートモービル誌(11月23日)はターボの不在を懸念する読者に対し、「頼むよ、もっと広い視野で見てくれ」と訴える。BRZの美点はその低重心デザインであり、このスタイルを保持しながらターボチャージの配管と放熱機構を加えることは困難だと考えられる。また、ターボの出力に対応できるようギアとブレーキを大型化したならば、BRZの軽やかな特性は消え去ってしまうだろう。シンプルで生き生きとしたBRZの特性を生かすためには、自然吸気エンジンこそが最適解だったというわけだ。
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