日本仕様のクルマ、コアな海外自動車ファンを魅了 「最大のサブカルチャー」とも

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♦︎軽自動車だから高速? JDMの誤解と真実
 実際の流通量が限られているためか、JDMに関する認識には真実と誤解が入り混じる。トップ・スピード誌は、JDMに関するありがちな誤解を紹介している。一般にJDMについて、大金を費やして手に入れる高品質のスポーツカーといったステレオタイプが定着しているようだ。記事は「JDMだからといってスポーツカーとは限らない」「すべてのJDMが速いわけではない」「クールなJDMを所有するのに大金を費やす必要はない」などの事実を挙げ、通常の安価な乗用車などもJDMに含まれるのだと解説している。

 私たち日本のドライバーから見て微笑ましく感じるのは、軽自動車に関する誤解だ。ホット・カーズ誌は別の記事(2月5日)のなかで、「ケイ(軽自動車)は軽量だから高速である」と誤解しないよう釘を刺している。軽自動車は小型で独特の見た目が海外の自動車ファンの目を楽しませているが、一般に馬力が控え目というポイントは意外な落とし穴になっているようだ。落とし穴つながりでもう一点、同誌はJDMは右ハンドルになると注意を喚起している。右ハンドル仕様はJDMらしさを演出する大きな特徴である反面、実際に右側通行の北米の道路を走ってみると、車幅感覚をつかみづらいため存外に苦労してしまうドライバーもいるようだ。

♦︎間口広がる
 希少性で話題のJDMだが、アメリカには25年以上経った中古車の個人輸入を許可する法律がある。そのため現在では個人的に日本車を手に入れることも不可能ではなく、ホット・カーズ誌は「JDMを取り巻く神秘のオーラは霧散しつつある」と指摘する。別格のイメージが消えてしまうことは残念だが、熱心な自動車ファンたちにとってより身近な存在になったことは歓迎すべきかもしれない。

 間口の広がりを受けて、現在ではアメリカ国内のレンタカーでもJDMを選択できる場合があるようだ。自動車番組トップ・ギアの記事によると、その名もRent JDMというサービスがあり、ここでは数台の日産 スカイラインを提供している。ほかにもトヨタ スープラやマツダ RX-7など、スポーツタイプの車両を中心にレンタルを楽しむことができる。慣れ親しんだ右ハンドルをアメリカでレンタルできるという事実は、私たち日本からの旅行者にとっても選択肢を広げてくれることになりそうだ。

Text by 青葉やまと