ツイッター利用者が急増 広告収入は減少

AP Photo / Matt Rourke

 新型コロナウイルスの世界的なパンデミックとアメリカでの人種差別反対運動勃発により、広告主がツイッターから撤退を余儀なくされている。しかしその一方、ユーザー数はかつてないほど急増中だ。

 7月23日、ツイッター社は第2四半期において1日あたりの平均ユーザー数が34%急増したと発表した。これは、記録上過去最大の伸び率だという。

 同社のジャック・ドーシーCEOはアーニング・コール(投資家などへの収支報告)で、先日発生したハッキングについて言及している。著名人の公式アカウントがサイバー攻撃にさらされた、恥ずべき事案について「最悪の気分」だと言う。

 サンフランシスコを拠点とするツイッター社の株式は、先月23日の取引で4%跳ね上がった。

 しかし巨額の法人税を計上した影響もあり、第2四半期の純損益は12億ドル(1株あたり1.56ドル)の損失となった。参考までに、前年同四半期は11億ドル(1株あたり1.43ドル)の黒字だった。

 金融データ会社「ファクトセット」のアナリスト調査によると、今期の収益は前年比20%減の6億8,300万ドルにとどまり、7億200万ドルというウォール街の予測をはるかに下回る結果となった。

 広告ビジネスにおいて、ツイッター社が受けた打撃は競合のグーグル社やフェイスブック社よりも大きく、アナリストの間では第2四半期も厳しい状況が続くという見通しがなされていた。同社は3月の水準と比較し、広告収入が「徐々に、緩やかに回復」していると話しているが、アメリカで人種差別反対運動が起きたことから、5月下旬から6月中旬にかけて広告掲載を控える、あるいは中断したブランドも多い。

「新型コロナウイルスと市民の不安感から、世界的な広告需要の低下による逆風が続いている」とドーシー氏は語る。

 3月後半の3週間では広告収入が27%減少したが、6月後半は3週間で広告収入15%減少に抑えられており、ネッド・セガールCFOは「抗議活動が鎮静化するにつれ、広告主の需要も戻ってきた」と述べている。

 人々が孤立するなか、新規ユーザーが同プラットフォームに押し寄せており、デイリーアクティブユーザー数は1億8600万人に急増している。

 デジタルマーケティング企業「イーマーケター」のアナリストであるジャスミン・エンバーグ氏は、「在宅の消費者がリアルタイムでニュースや情報を得るために同プラットフォームを使用するようなり、ニュースやエンターテインメントのソースとしてのツイッターの強みが、パンデミック期間中のエンゲージメント獲得の追い風となった」と語る。しかし同氏は、外出制限が解除され始め人々が通常のルーティンに戻り始めるため、いまの状況が長続きするとは考えていないという。

 ツイッター社が新たな収益オプションを探索するのを待ち続ける投資家も多く、なかでも主要候補の一つとして根強いのが、サブスクリプション制の導入だ。ドーシー氏によると、同社は複数のオプションを模索中だが、プロセスは「非常に初期の段階」にあると述べている。

 記録によると、同氏はアナリストとの電話会議で、「最も重要なことは、新たな収益ラインが当社の広告ビジネスを補完するという確信を得られるか、ということです。確かに、サブスクリプションにも可能性はあると考えています。コマースが補完的な役割を果たす可能性もあるでしょう。給与管理支援業務などもそうです」と述べている。

 ドーシー氏によると、ツイッター社はこうした新しいアイデアについて、今年中には試験を開始することになるという。

 ただ、目下の問題は売上よりも、先日起きた不正アクセス事件だ。この事件では、各国の指導者やセレブ、テクノロジー界の著名人など、130ものアカウントがターゲットなり、そのフォロワーに対してビットコインの送金を促す詐欺メッセージが投稿された。先月22日に同社が発表した詳細情報によると、当選したばかりのオランダの議員を含め、36のアカウントがハッキングされ、ハッカーがダイレクトメッセージの受信トレイにアクセスしたという。被害に遭った個人名までは明らかにされなかったが、オランダの反イスラム系議員ヘルト・ウィルダース氏が自らハッキングに遭ったことを公表した。

 ドーシー氏は、「我々は辛い1週間を過ごしました。今回の不正アクセス事件により、顧客やその信頼を傷つけたことに、ひどく心を痛めています」と話している。

 ツイッターにはもう一つ課題がある。それは、少なくとも7月期にはSNSに対する広告ボイコットがあり、それが第2四半期の収支報告には含まれていない、ということだ。その点について、同社の幹部らは回答を避けた。ヘイトスピーチや誤情報へのポリシーや対応をめぐり、フェイスブックへの広告掲載を中止する企業は数百社にのぼっており、同社がボイコット運動の主要ターゲットとなっている。一部の広告主がすべてのSNSから広告を引き上げるなか、ツイッターへの影響はフェイスブックほどあからさまではない。広告費の一部がフェイスブックからツイッターにリダイレクトされる可能性があると考えるアナリストもいる。

By KELVIN CHAN AP Business Writer
Translated by isshi via Conyac

Text by AP

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