「ホンダの未来への一台」CR-Vに北米初のハイブリッド RAV4との対決も現地注目
♦︎ハイブリッドの利点、パワートレインのみならず
ホンダ CR-Vのラインナップにはガソリン車も揃うが、ハイブリッドモデルにはパワートレインの違い以上の差異がある。ハイブリッドは青色のロゴバッヂとなるほか、フォグランプにLEDを採用する。インテリアではインパネのデザインが異なり、タコメーターを廃止したユニークなものとなっている。
内部構造としてはサスペンションが強化され、結果としていっそう快適な乗り心地を生み出している。バッテリーの搭載により車体重量が90キロほど増していることから、よりタフなサスペンションが導入された。カー&ドライバー誌は優れたサスペンションの導入が「路上において、頼りがいのあるしっかりとした感覚をCR-Vにもたらしている」と評価している。実際に高速道路を走行したところ、非常に優れた安定性が感じられたという。こうした副次的な利点も含め、同誌は「CR-Vハイブリッドは、CR-Vの未来を指し示している」「ホンダのハイブリッドシステムが優雅さを高める」などと述べ、ガソリンモデルと比較した際のアドバンテージの大きさを語っている。
今回のハイブリッドの登場は、北米で長らく待ち望まれていたものだ。ホンダはこれまで同地域で販売されるSUVについて、ハイブリッドモデルを設定してこなかった。米技術誌の『Cネット』(3月18日)は、ホンダが2030年までに世界販売台数の3分の2をEV車とする目標を掲げていると紹介する。同誌は「このクロスオーバー車の登場は、排出削減と効率性向上へのより大きなうねりの一環だ」と述べ、「ホンダのEV化の未来への基礎」を築く一台になるとして期待を高めている。
♦︎安全評価も優秀
高い安全性能を有するCR-Vは、IIHS(米道路安全保険協会)による2020年のトップ・セーフティ車両に選出されている。安全性評価の内容としては、耐衝撃性評価の全6項目で最高グレードとなる「良好」を取得した。衝突防止性能の評価においては、対車両および対歩行者の両項目で最高グレードの「優秀」判定が与えられている。
アメリカではLX、EX、EX-L、ツアーリングの4つのラインナップを用意し、これらすべてでハイブリッドのパワートレインを選択可能だ。日本国内のハイブリッドモデルとしては、ハイブリッドEXに加え、上位グレードとなるハイブリッドEXマスターピースを用意する。EXマスターピースではファブリック製シートを本革にアップグレードし、さらに両手がふさがっていても足先で開くことが可能なパワーテールゲート、および電動パノラミックサンルーフを搭載する。また、助手席はスライドとリクライニングを電動で行うパワーシートとなる。国内ベース価格は、EXが税込385万4400円、EXマスターピース422万1800円となっている。
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