新型コロナ対策に名乗りを上げる企業たち マスク無償提供、人工呼吸器の開発
◆生産ラインを救命機器の製造に切り替え
イギリスのボリス・ジョンソン首相は、自国の新型コロナウイルス感染の状況はイタリアの3週間遅れであるとし、不足を先んじて解消するべく大手メーカーに人工呼吸器の生産に協力するよう要請、これに複数の企業が応えている。
イギリスの公共放送BBCによると、ダイソンは独自で新しいモデルの人工呼吸器の開発を目指している。また、ロールスロイス、エアバス、フォード、マクラーレンと人工呼吸器の専門メーカー2社が共同チームを結成し、イギリス国内のメーカーが生産する既存モデルを元にしたものの製造を目指す。
ドイツでは、フォルクスワーゲン、ポルシェ、BMWが人工呼吸器増産の協力の準備を表明している(ロイター)。とくに工業用3Dプリンターを多く持つフォルクスワーゲンはすでに人工呼吸器の部品の試作品を作っているという。同社はさらにFFP2とFFP3のマスクを合わせて20万枚ドイツ保健当局に、同社の本拠地であるヴォルフスブルク市には必要な医療用素材を提供する用意があると発表している。
アメリカの自動車メーカー、ゼネラルモーターズ社は、人工呼吸器増産のために医療機器メーカー、ベンテック・ライフ・システムズと協力体制を築いている。さらに、食糧や老人ケア、教育などのパンデミックの影響が深刻な分野で役立てるため、アメリカ全土にある同社拠点の地域のNPOに100万ドル(約1.1憶円)の助成金を支給すると表明している。
3月に入り感染者数が急増を続ける欧米では、ドイツのメルケル首相をして「第二次大戦以来の試練」と言わしめた新型コロナウイルスとの戦いに企業が続々と名乗りを上げ、官民一体となって立ち向かう体制が固まりつつある。
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