バーガーキング、植物由来バーガーを欧州でも販売 米での好評を受け

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 バーガーキングはヨーロッパで植物由来のパテを使ったハンバーガーを売り出すこととなった。だがこれは、アメリカの顧客の間で人気商品となった「インポッシブル・ワッパー」ではない。

 代わりに販売されるのは、オランダのベジタリアン・ブッチャー社が開発した大豆由来の最新「レベル・ワッパー」だ。11月12日、ヨーロッパにある2,400店舗で発売となった。

 インポッシブル・フーズ社が開発したハンバーガーは、遺伝子組み換え成分が含まれているとしてEUの承認が得られなかった。EUでは、遺伝子組み換え技術が使われた製品について、販売前の検査を義務付けている。

 オランダ政府の広報担当者によると、インポッシブル・フーズ社は先月申請を行い、欧州食品安全機関による承認を待っているという。

 ベジタリアン・ブッチャー社は2007年創業。ハンバーガーのパテしか製造していないインポッシブル社とは異なり、同社では植物由来の鶏肉、ホットドッグ、ソーセージ、さらにはマグロ肉なども手がけており、ヨーロッパ17ヶ国で販売している。消費財企業のユニリーバは2018年下旬に同社を買収すると発表した。

 カリフォルニア州を本拠とするインポッシブル・フーズ社が開発したインポッシブル・ワッパーが今春に販売されたとき、多くの顧客がバーカーキングに足を運んだ。バーガーキングの親会社でマイアミ州にあるレストラン・ブランズ・インターナショナル社によると、アメリカでのチェーン店売上は前年の第3四半期が1%増であったのに対し、今期は6%増だった。

 インポッシブル・ワッパーがあまりにも好評だったため、バーガーキングはキッズ向けインポッシブル・チーズバーガーを含む他の関連商品も全米180店舗で試験販売している。

 インポッシブル社では、ハンバーガーに肉のような風味や食感を与えるタンパク質「ヘム」という成分を、大豆の根の部分にあるレグヘモグロビンから調達している。ヘムを大量に入手するために、大豆から抽出したDNAをイーストに注入して、それを発酵させた。

 アメリカ食品医薬品局(FDA)が食品を承認するのは、それが市場に出回ってからであるため、食の安全確保は企業の手に委ねられている。だが人工着色料などの添加物は事前の承認を要求している。大豆レグヘモグロビンによってインポッシブル・バーガーのパテの色も変化するため、FDAは未調理バーガーを小売店で販売する前に申請するよう要請し、7月に承認された。

 ヨーロッパでのインポッシブル・バーガーの販売について、インポッシブル・フーズ社はコメントを出していない。同社のハンバーガーはここ数年、アメリカのほかに香港とシンガポールの飲食店で販売されている。

 バーガーキングによると、植物由来のハンバーガーにとどまらず、多くの製品開発で世界中の食品メーカーと提携しているという。

「アメリカで好評で、ヨーロッパでも需要が高まっているため、できるだけ早くこの種の商品をヨーロッパでも売り出したいと思っていた」と同社は声明の中で述べている。

 市場調査会社ユーロモニターインターナショナルによると、東ヨーロッパにおける植物由来の肉製品の売上は、5年間で年平均22%増、西ヨーロッパでも13%増となっており、いずれもアメリカの12%を上回る成長ペースだった。

By DEE-ANN DURBIN AP Business Writer
Translated by Conyac

Text by AP