3万人超を雇用へ アマゾン、全米規模の就職フェアを開催
アマゾンの採用ラッシュが止まらない。
オンラインショッピング最大手のアマゾンは、9月第3週に全米各地で採用フェアを開催する。来年初頭までに3万人以上の新たな雇用を目指す。
アマゾンは、年収10万ドル以上のソフトウェア・エンジニアから、時給15ドル余りでオンラインショッピング向けの梱包と発送を行う倉庫スタッフまで、あらゆる職種の従業員を募集する。同社によると、募集するポジションはすべてフルタイムであり、福利厚生もつくという。また、今回の採用は、毎年クリスマスホリデー前のショッピングシーズンへの対応として行われる恒例の追加採用とは別枠で行われるものだ。
今回の採用フェアは、アマゾンにとって必要不可欠なものだと言えそうだ。現在アメリカ国内の失業率は過去50年近くで最低の水準にある。そのため労働者側にはより多くの選択肢がある一方、雇用側としては、欠員募集を埋めるために過去よりも大きな努力を強いられているのが現状だ。今年の夏の初め、アマゾンは自社の従業員の多くを技術職へと配置転換するプログラムを発表。10万人の従業員を対象に、新たなスキル習得のためのトレーニングを行うと公約した。
アマゾンは、9月17日にアメリカ各地の6会場で採用フェアを実施し、そこで最も優秀な人材を見出す予定だ。会場となるのは、同社の「第2本社」の建設が予定されているバージニア州アーリントンのほか、ボストン、シカゴ、 ダラス、 テネシー州ナッシュビル、そして現在本社のある地元シアトルだ。今回の採用フェアは「アマゾン・キャリアデ―」と銘打たれ、その詳細を記した専用ウェブサイトもすでに立ち上がっている。
「大きなビジョンを持って素早く行動できる人たちに、ぜひとも申し込んで欲しいですね。彼らには、当社の技術革新を支えていただき、今後もアマゾンがカスタマーのためにより大胆なチャレンジができるよう努めて欲しいです」とAP通信への声明のなかで、CEOのジェフ・ベゾス氏は語っている。
今回の採用フェアでの求人数は、同社が行う1回の募集としては最大だという。このことからも、同社の急成長ぶりがうかがえる。今から20年以上前に、当初はオンライン書店としてスタートしたアマゾン。現在では、映画制作から音声起動ガジェットの製造までを手がけ、インターネットサービス提供のため宇宙に衛星を打ち上げることも計画中だ。
ここまでアマゾンは全世界に65万人以上の従業員を抱え、民間企業の従業員数としてはウォルマートに次いでアメリカ企業で第2位に上り詰めた。そして、その従業員数はさらに増加する見通しだ。アーリントンに建設予定のアマゾンの第2本社は、今後12年間で2万5,000人を雇用する予定。また同社は近年、ヘルスケアや広告産業など、さらに多くの産業分野にビジネスを展開している。
アマゾンは、この採用フェアが大きな話題を呼び、同社が必要とするスキルを持った人材を惹きつける狙いだ。同社が2年前に全米規模で開催した倉庫作業員の募集フェアには、数千人の応募者が集まった。
今回の採用フェアでは、応募希望者の面接準備のサポート、および募集ポジションに関する詳しい情報提供を行うため、約1,000人の採用担当者が動員されるという。
By JOSEPH PISANI AP Retail Writer
Translated by Conyac